織守きょうやおすすめ小説③
今回も僕のおすすめ小説をひとつ紹介しますね。物語の基軸は、まるで辛抱強く背負うべき運命のように独特な風味を持つ美しい恋愛模様です。緊張感あふれるシーンに胸が高鳴り、平穏な時間には心が落ち着く。そんな一体感を感じられる作品です。読み進めるごとに出てくる手に汗握る展開は、まるで乱高下する山岳を登る登山家のよう。複雑に絡まった人間関係が産み出すそれぞれの感情が深淵に揺れ動く様は、ジェットコースターのようなドラマチックな展開をもたらします。誰もが自分になりきってその場にいるかのような描写の丁寧さには驚かされます。とてつもなく深く、かつとても美しい愛の模様を描き出しています。一読の価値ありですよ。
『彼女はそこにいる』
第1話「あの子はついてない」
母と共に庭付きの一軒家へ引っ越してきた中学生の茜里。妹の面倒を見ながら、新しい学校に馴染んでゆく茜里だが、家の中で奇妙なことが起こり始める。知らない髪の毛が落ちている。TVが勝手に消える。花壇に顔の形の染みが出来る。ささやかだが気になる出来事の連続に戸惑う茜里。ある夜カーテンを開けると、庭に見知らぬ男性の姿がーー。
第2話「その家には何もない」
不動産仲介会社に勤める朝見は、大学の先輩でフリーライターの高田に「曰わく付きの物件」を紹介して欲しいと頼まれる。次々に貸借人が入れ替わる家の話をしたところ、「内覧したい」という高田に押し切られて現地へ向かうことに。そこは最近まで中学生の娘と母親が暮らしていた庭付きの一軒家だった。
第3話「そこにはいない」
その家にはなぜ人が居つかないのか? 新たな住人をきっかけに、過去の「ある事件」が浮かび上がる。
第1話「あの子はついてない」
第2話「その家には何もない」
第3話「そこにはいない」
| 作者 | 織守きょうや |
|---|---|
| 価格 | 1980円 + 税 |
| 発売元 | KADOKAWA |
| 発売日 | 2023年06月30日 |
『隣人を疑うなかれ』
鮮烈デビューから作家生活10周年。
『記憶屋』『花束は毒』の著者、最新本格ミステリー!
連続殺人、かもしれない。
羊の群れに狼が潜んでいるなら、
気づいた誰かがどうにかしなければ、狩りは終わらないーー。
自宅マンションに殺人犯が住んでいる?
隣人の失踪をきっかけに不穏な疑念を抱いた主婦の今立晶は、事件ライターの弟とともにマンションの住人たちを調べることに。
死体はない、証拠もない、だけど不安が拭えない。
ある夜、帰宅途中の晶のあとを尾けてきた黒パーカの男は誰なのか?
平凡な日常に生じた一点の黒い染みが、じわじわと広がって心をかき乱す、傑作ミステリー長編。
ご近所さんのこと、どれだけ知っていますか?
「殺人犯が同じ建物内にいるってのはぞっとするけどな」今立晶(パート主婦)
「模倣犯じゃなくて、本人って可能性もゼロじゃない」小崎涼太(事件ライター)
「近くで起きた事件ですもんね。私も気になってました」土屋萌亜(マンガ家)
「素人探偵の思い込みの推理を聞いている暇はないの」加納彩(主婦)
「近所に怪しい奴がいるみたいな情報提供はときどきあるよ」加納行広(刑事)
「ここは住人同士のトラブルはなく、かなり平和なほうだ」寺内嵩(マンション管理人)
「プライベートには踏み込まないくらいがちょうどいい」幸田佐知子(シングルマザー)
| 作者 | 織守 きょうや |
|---|---|
| 価格 | 1760円 + 税 |
| 発売元 | 幻冬舎 |
| 発売日 | 2023年09月21日 |
『キスに煙』
【第五回未来屋小説大賞『花束は毒』の著者が放つ、もう一つの“究極の選択″!】
スケートの神に愛されたあいつは、殺人者かもしれないーー
疑惑と恋心の狭間を揺蕩う緊迫のサスペンス!
◇あらすじ
かつてフィギュアスケートの世界で競った塩澤と志藤。
塩澤の引退、志藤の怪我を機に、彼らの関係はライバルや親友の枠には収まり切らないものになっていく。
そんな時、二人は共通の知人が自宅のバルコニーから転落死したという知らせを受ける。
その死は彼らの間に思わぬ疑念を呼びーー。一気読み必至の傑作長編!
解説・大矢博子
知られてはいけない。
この恋も、この罪も。
| 作者 | 織守 きょうや |
|---|---|
| 価格 | 880円 + 税 |
| 発売元 | 文藝春秋 |
| 発売日 | 2026年01月05日 |
今回紹介できた作品、皆さんいかがでしたか? 織守きょうやの特異な文体によって描かれる彼の作品世界は、他の作者とは一線を画す響きを持っています。それは淡々と進行するストーリーテリングの中に散りばめられた、読む者をくすぐるたくさんの要素によって形成されています。
彼の描くキャラクターたちは、その個性や魅力、そして思わず共感してしまうような緻密な心理描写が洗練されており、まるで自分自身がその物語の一部になったかのような感覚に包まれます。さらにそのキャラクターたちが見せる一途で深みのある感情と、そこから生まれる人間模様が絡み合うことで、単なる物語を超えた感動を我々読み手に提供してくれます。
そして織守きょうやの作品を一層引き立てるのが、彼が描く丁寧で美しい背景・舞台設定です。それらによって物語は現実とファンタジーが見事に融合した独特な空間で展開され、その緻密さと驚くような工夫によって、なお一層物語は深淵な面白さを醸し出しています。
これらを総合すると、彼の作品はたしかに叙述すればただのストーリーですが、じっくりと味わうことで一冊の小説以上の価値を感じ取ることができることでしょう。
それら全てを手に入れるためには、ただ一つ、作品を手に取り、その世界に自分自身を委ねてみること。それが一番の近道かもしれません。皆さんも是非、織守きょうやの作品を手にとって、その深淵へ一歩踏み入れてみてはいかがでしょうか。
それでは今回の小説紹介はこれにて終わります。次回もまた、様々な作品群から一つを選び出し、皆様にとって次なる一冊となるような素敵な作品を探し出すことができればと思います。次回もどうぞお楽しみに。
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