さて、こうして注目すべき10作品をお伝えしましたが、伝説のトラウマ製造機・関よしみ作品の深みや独自の魅力をただ数作紹介しただけでは漏れなく語りつくせるものではありません。一度読んだだけで、その闇が深い感情の渦、鋭いヒューマンドラマに引き込まれ、安易に作品から脱出できない程の力を持つ彼女の作風、それこそが一読者としては恐ろしい程に魅力的なのです。

写真一枚や単なる文字列だけでは表現しきれない心の揺れや闇を、まるで鮮明な絵画のように表現し、物語へと昇華させる関よしみの力量が詰まった作品たちは、一度は挑戦してみる価値があります。言葉には、そのままでは伝わらない人間の本質を見つめ、難解でつかみどころのない人間の複雑さを独特な視点から丁寧に描き出す彼女の作風は、一度その世界に足を踏み入れれば誰もが引き込まれることでしょう。

その涙、絶望、時には驚き･･･感情を揺さぶる展開とはこういうことを言うのか、と彼女の作品を通して考えさせられます。その一方でそれらの感情が生きることの本質だとも思わせてくれます。これらの作品がそれぞれの読者の心に留まり、また新たな解釈や感動を与えてくれることを願っています。

ここで紹介した10作品も、関よしみ作品のごく一部。ぜひ皆さん自身で彼女の作品を手に取り、そのトラウマ製造機という異名がどのように生まれたのか、その深淵を覗いてみてください。きっと、あなただけの「お気に入りの作品」に出会えるはずです。