【ハン•ガン作品】今読みたいハン・ガン作品7選!アジア女性初のノーベル文学賞受賞作家
ハン・ガンさん、知ってますか?彼女はなんとアジア女性で初のノーベル文学賞受賞者なんですよ。彼女の作品は一言で言えば「独特」。現代社会の暗部を繊細かつ鋭く描写するそのスタイルは、読む者を深い思索へと誘います。登場人物たちの心情描写に細心の注意を払い、私たちが日常で見逃しがちな人間性の深淵をえぐり出します。ただただ物語が進行するだけでなく、彼女の作品を読むことで考えさせられ、見つめ直すことが多々あります。また、言葉の選び方一つにも彼女の繊細さが感じられます。彼女の世界に一度、足を踏み入れてみませんか?約束しますよ、これまでとは一味違った読書体験が待っていますから。
『菜食主義者』
「新しい韓国文学シリーズ」第1作としてお届けするのは、韓国で最も権威ある文学賞といわれている李箱(イ・サン)文学賞を受賞した女性作家、ハン・ガンの『菜食主義者』。韓国国内では、「これまでハン・ガンが一貫して描いてきた欲望、死、存在論などの問題が、この作品に凝縮され、見事に開花した」と高い評価を得た、ハン・ガンの代表作です。
ごく平凡な女だったはずの妻・ヨンヘが、ある日突然、肉食を拒否し、日に日にやせ細っていく姿を見つめる夫(「菜食主義者」)、妻の妹・ヨンヘを芸術的・性的対象として狂おしいほど求め、あるイメージの虜となってゆく姉の夫(「蒙古斑」)、変わり果てた妹、家を去った夫、幼い息子……脆くも崩れ始めた日常の中で、もがきながら進もうとする姉・インへ(「木の花火」)-
3人の目を通して語られる連作小説集。
作者 | ハン・ガン/きむ ふな |
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価格 | 2420円 + 税 |
発売元 | クオン |
発売日 | 2011年05月25日 |
『少年が来る』
1980 年5月18 日、韓国全羅南道の光州を中心として起きた民主化抗争、光州事件。戒厳軍の武力鎮圧によって5月27日に終息するまでに、夥しい数の活動家や学生や市民が犠牲になった。抗争で命を落とした者がその時何を想い、生存者や家族は事件後どんな生を余儀なくされたのか。その一人一人の生を深く見つめ描き出すことで、「韓国の地方で起きた過去の話」ではなく、時間や地域を越えた鎮魂の物語となっている。
もくじ
一章 幼い鳥
二章 黒い吐息
三章 七つのビンタ
四章 鉄と血
五章 夜の瞳
六章 花が咲いている方に
エピローグ 雪に覆われたランプ
訳者あとがき
作者 | ハン・ガン/井手 俊作 |
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価格 | 2750円 + 税 |
発売元 | クオン |
発売日 | 2016年10月27日 |
『すべての、白いものたちの』
作者 | 韓,江,1970- 斎藤,真理子,1960- |
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価格 | 不明 |
発売元 | 河出書房新社 |
発売日 | 2023年02月 |
『回復する人間』
痛みがあってこそ回復がある
『菜食主義者』でアジア人初のマン・ブッカー国際賞を受賞し、『すべての、白いものたちの』も同賞の最終候補になった韓国の作家ハン・ガン。本書は、作家が32歳から42歳という脂の乗った時期に発表された7篇を収録した、日本では初の短篇集。
「明るくなる前に」:かつて職場の先輩だったウニ姉さんは弟の死をきっかけに放浪の人になる。そんな彼女を案じていた私に3年前、思わぬ病が見つかる。1年ぶりに再会した彼女が、インドで見たというある光景を話してくれたとき、小説家の私の心は揺さぶられるーーウニ姉さんみたいな女性を書きたい、と。
「回復する人間」:あなたの左右の踝の骨の下には穴があいている。お灸で負った火傷が細菌感染を起こしたのだ。そもそもの発端は姉の葬儀で足をくじいたことだった。ずっと疎遠だった姉は1週間前に死んだ。あなたは自分に問いかける。どこで何を間違えたんだろう。2人のうちどちらが冷たい人間だったのか。
大切な人の死や自らの病気、家族との不和など、痛みを抱え絶望の淵でうずくまる人間が一筋の光を見出し、再び静かに歩み出す姿を描く。現代韓国屈指の作家による、魂を震わす7つの物語。
作者 | ハン・ガン/斎藤 真理子 |
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価格 | 2640円 + 税 |
発売元 | 白水社 |
発売日 | 2019年05月28日 |
『ギリシャ語の時間』
ある日突然言葉を話せなくなった女。
すこしずつ視力を失っていく男。
女は失われた言葉を取り戻すため
古典ギリシャ語を習い始める。
ギリシャ語講師の男は
彼女の ”沈黙” に関心をよせていく。
ふたりの出会いと対話を通じて、
人間が失った本質とは何かを問いかける。
★『菜食主義者』でアジア人作家として初めて英国のブッカー国際賞を受賞したハン・ガンの長編小説
★「この本は、生きていくということに対する、私の最も明るい答え」--ハン・ガン
作者 | ハン・ガン/斎藤真理子 |
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価格 | 1980円 + 税 |
発売元 | 晶文社 |
発売日 | 2017年10月11日 |
『別れを告げない』
作家のキョンハは、虐殺に関する小説を執筆中に、何かを暗示するような悪夢を見るようになる。ドキュメンタリー映画作家だった友人のインソンに相談し、短編映画の制作を約束した。
済州島出身のインソンは10代の頃、毎晩悪夢にうなされる母の姿に憎しみを募らせたが、済州島4・3事件を生き延びた事実を母から聞き、憎しみは消えていった。後にインソンは島を出て働くが、認知症が進む母の介護のため島に戻り、看病の末に看取った。キョンハと映画制作の約束をしたのは葬儀の時だ。それから4年が過ぎても制作は進まず、私生活では家族や職を失い、遺書も書いていたキョンハのもとへ、インソンから「すぐ来て」とメールが届く。病院で激痛に耐えて治療を受けていたインソンはキョンハに、済州島の家に行って鳥を助けてと頼む。大雪の中、辿りついた家に幻のように現れたインソン。キョンハは彼女が4年間ここで何をしていたかを知る。インソンの母が命ある限り追い求めた真実への情熱も……
いま生きる力を取り戻そうとする女性同士が、歴史に埋もれた人々の激烈な記憶と痛みを受け止め、未来へつなぐ再生の物語。フランスのメディシス賞、エミール・ギメ アジア文学賞受賞作。
作者 | ハン・ガン/斎藤 真理子 |
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価格 | 2750円 + 税 |
発売元 | 白水社 |
発売日 | 2024年04月02日 |
『そっと 静かに』
「歌は翼を広げて、私たちの生の上へと滑り出す。歌がなくて、その翼で生の上へと滑空する瞬間すらもなかったら、私たちの苦しみはどれほど重さを増すだろうか」--本文より
ハン・ガンが「書きたいのに、書けなかった」と回想する時期に生まれた本書には、音楽との出会い、さまざまな思い出にまつわる歌、著者自身がつくった歌について綴られている。著者の繊細な感性に触れるエッセイ集の初邦訳。
巻末にはオリジナルアルバムの音源情報も収録!
日本の読者の皆さんへ
1.くちずさむ
2.耳をすます
3.そっと 静かに
4. 追伸
訳者あとがき
ハン・ガン オリジナルアルバム
作者 | ハン・ガン/古川 綾子 |
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価格 | 2420円 + 税 |
発売元 | クオン |
発売日 | 2018年06月25日 |
これ以上ないほど唯一無二の作風を持つハン・ガン作品、一読すれば誰もがその独特の世界観に引き込まれ、戸惑いつつも魅了されること間違いなしです。ハン・ガンの文章は冷静かつ淡々と描かれ、だからこそその深みに人間の根源的なものを感じることができます。一般的になじみが薄いかもしれない韓国文学の世界にどっぷり浸かってみるのも、新たな発見があるかもしれませんよ。
それでもハン・ガンの作品は、読む側にとって楽なものではありません。難解で重苦しいイメージを持つ方もいるかもしれませんが、その挑戦がきっと忘れることのできない読書体験をもたらすでしょう。ノーベル文学賞を受賞しただけあって、中には難解な作品もあるかもしれませんが、でもね、挑戦してみる価値はある。その苦労が報われる一瞬一瞬があるんです。
ばか騒ぎのような日常や、切実な人間ドラマ、時には社会の闇をも赤裸々に描き出す彼女の作品は、人間の存在そのものを問いかけてきます。ハン・ガン作品との出会いが、透き通った言葉で綴られた彼女の世界観が、あなたの心を揺さぶった時、それはもうあなたが彼女の虜になっている証拠。ぜひ、一冊でも手に取ってみてください。そしてその世界を、味わってみてくださいね。
最後になりますが、ハン・ガンの作品に触れることで得るものは確かに存在します。その何とも言えない感触、考えざるを得ないテーマ、独特の魅力を体験し、あなた自身が一層豊かな人間になれることを心から願っています。ここまで読んでくださった皆さん、どうもありがとうございます。次の読書、楽しんでくださいね!
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