柔らかくて
春夏秋冬、四季折々に変わる景色や風情を、あたかも実際に体験しているかのように感じさせてくれる作品をお探しでしたら、これはまさにおすすめです。生き生きとした登場人物たちの描写は、読者に強烈な共感を呼び起こすでしょう。心の中に柔らかく温かい感情を抱くこと間違いなしですよ!作者の繊細な筆致は言葉にならない感情を見事に言葉にしており、文字から立ち上る情景は、まるで絵画を見ているよう。更には、身近なものから大きなテーマまで、あらゆる角度から物事を捉え直すためのユーモラスな視点も加わって、読後感がまた素晴らしいのです。まるで心にスカーフを優しく巻きつけられたような、ふんわりとした暖かさを感じてみてください。
『忘れられた花園<上>』
1913年オーストラリアの港にたったひとり取り残されていた少女。名前もわからない少女をある夫婦がネルと名付けて育て上げる。そして2005年、祖母ネルを看取った孫娘カサンドラは、祖母が英国、コーンウォールにコテージを遺してくれたという思いも寄らぬ事実を知らされる。なぜそのコテージはカサンドラに遺されたのか? ネルとはいったい誰だったのか? 茨の迷路の先に封印された花園のあるコテージに隠された秘密とは?デュモーリアの後継とも言われる著者のミステリアスで魅力溢れる傑作ミステリ。文庫化!
| 作者 | ケイト・モートン/青木純子 |
|---|---|
| 価格 | 1078円 + 税 |
| 発売元 | 東京創元社 |
| 発売日 | 2017年05月21日 |
『老人ホーム 一夜の出来事』
ある一夜の同じ場面が、九人それぞれの章の
同じページ、同じ行に浮かび上がる。
九つの章が同時進行する傑作実験小説!
ある老人ホームの一夜。八人の老人と一人の寮母。食事と作業とお楽しみ会……。体力も知力も異なる八人の老人たちと寮母に、時は等しく流れる。登場人物九人の同時進行小説。同じ場面のそれぞれの行動、意識(があれば、だが)が、各人に割り当てられた章の同じページ、同じ行に浮かび上がる。傑作実験小説! 解説=若島正 (『老人ホーム 一夜のコメディ』改題文庫化)
| 作者 | B・S・ジョンソン/青木 純子 |
|---|---|
| 価格 | 1540円 + 税 |
| 発売元 | 東京創元社 |
| 発売日 | 2024年02月29日 |
『ミスター・ミー』
| 作者 | アンドルー・クルミー 青木純子 |
|---|---|
| 価格 | 不明 |
| 発売元 | 東京創元社 |
| 発売日 |
あっという間にページをめくる快感、そして読み終えたあとに残る心地よい余韻。今回、皆さんにご紹介した作品はそのどちらも兼ね備えていると自信をもってお伝えできます。何がそんなにも人々を引き寄せるのかと言えば、それは登場人物たちが見せてくれる、人間らしい弱さと強さ、悲しみと喜び、そして力強さと愛らしさのバランスなのではないでしょうか。それぞれが抱えている課題や運命と向き合いながらも、彼らは決して立ち止まることなく前に進んでいきます。そこには一見すると小さな幸せや喜びも見えるのですが、じっくりと見つめていけば見えてくるのは、目指すべき大きな目標や、得るべき大きな充足感と言ったものばかりでしょう。
それと同時に、彼らの人間としての厚みと深みを感じることが出来る表現の細やかさも、この作品が持つ魅力の1つといえるでしょう。リアルとファンタジーの境目が曖昧になるくらいに、言葉一つ一つが丁寧に編み上げられています。思わず心の奥に響くセリフの数々は、当然ながら皆さんの心にも深く刻まれることでしょう。それこそが、この作品が持つ力の源だと言えるかもしれません。
言うまでもなく、何冊もの本を読む中で出会う作品の中には、心の琴線に触れるもの、余韻が長く残るものがあるものです。それがこの「柔らかさ」を表現する作品そのものといっても過言ではありません。鮮やかな色彩と描写が画面から溢れ出してくるような感覚を味わえる、それが今回ご紹介したこの作品の持つ力です。皆さんも是非、その世界に触れてみてください。きっと、今までに感じたことのない新しい感情や風景、そして思考を呼び覚ます一冊となることでしょう。
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