現代のねずみ小僧か、はたまた単なる盗人か!?　痕跡を残さず窃盗を繰り返し、悪事を暴く謎の人物、その名は”山猫”。神出鬼没の怪盗の活躍を爽快に描く、超絶サスペンス・エンタテインメント。

「君には才能がある、一流の泥棒になってみないかい？」

謎多き美貌の青年、嵐崎の驚くべき勧誘。なんと生き別れの父が大怪盗であり、自分はその後継者だというのだ。

かくして平凡な大学生だった因幡の人生は大きく変わっていく。嵐崎の標的は政界の大物。そして因幡の父をはめた男。そんな相手に、嵐崎は不可能に近い盗みを仕掛けようとしていた──。

スリルと興奮の大仕事の結末は!?　華麗なる盗みのトリックに、貴方はきっと騙される！　痛快、怪盗ミステリ。

“百発百中のゴダール”は素晴らしい泥棒だ。その偉大な頭脳は、すべての可能性を予測し、あらゆる不可能を可能にする。水も漏らさぬ包囲網も難攻不落の金庫も、彼の行く手を阻めはしない。あるときは侵入不能の大邸宅から神秘の宝石ホワイト・ルビーを盗み出し、あるときは最新の防犯システムを破壊してウォール街一帯を大混乱に陥れ、またあるときは合衆国貨幣検質所からタンク一杯の黄金を奪取する。その華麗にして大胆な手口は、まさにひとつの芸術だ。２０世紀の初め、世界の首都ニューヨークに君臨した怪盗紳士ゴダールの痛快きわまる冒険譚、全６篇を収録。