物語の仕掛けと読みやすさが最高 乙一の名作6選|怖くて切ない作品から読む
ブラックでシリアス、しかし一筋のユーモラスな線も忘れない、そんな独特な世界観が人気の乙一作品。登場する登場人物たちが抱える内面の闇や強烈な孤独感が、読者の心をグッと掴んで離しません。しかし全てが暗く沈み込むだけでなく、キャラクター間の微妙な関係性や繊細な心情描写によって一筋の光を見せてくれます。想像を超えた展開や意外な真実に度々驚かされ、一度読んだら忘れられない強烈な印象を残す作品が多いです。その中でも、怖さと切なさを絶妙に組み合わせたこの6作品は特におすすめ。語り口もとても自然で読みやすく、乙一の世界観を存分に堪能できますよ。
『さよならに反する現象』
リストラされた私は、妻と息子に言えず、クマの着ぐるみを着て風船を配るアルバイトをしている。ある日曜日、バイト先の住宅展示場で風船をもらいにやってきた子供の一人が息子だったと気づいた瞬間……(「そしてクマになる」)。心霊写真の合成が趣味の僕。あるとき撮影中に一人の写りたがりの幽霊が顕れる。彼女がこの世に残した未練とは?(「悠川さんは写りたい」他、切なく怖くて優しい、書き下ろし4篇を含む全9篇。作家生活30周年記念。
そしてクマになる
なごみ探偵おそ松さん・リターンズ
家政婦
フィルム
悠川さんは写りたい
犬が婚約者を追い返した話
怖くない話
新聞
再接続
解説 吉田大助
| 作者 | 乙 一 |
|---|---|
| 価格 | 836円 + 税 |
| 発売元 | KADOKAWA |
| 発売日 | 2026年01月23日 |
『一ノ瀬ユウナが浮いている』
死んだ彼女は、線香花火を灯すと現れる。なぜならーー。
高校2年の夏休み、幼馴染の一ノ瀬ユウナが死んだ。
喪失感を抱えながら迎えた大晦日、大地はふと家にあった線香花火を灯すと、幽霊となったユウナが現れる。
どうやら、生前好きだった線香花火を灯したときだけ姿を現すらしい。
その日から何度も火を点けて彼女と会話する大地だったが、肝心な気持ちを言えないまま製造中止の花火は、4、3、2本と減りーー。
乙一の真骨頂! 線香花火のように儚く、切なさ溢れる青春恋愛長編。
| 作者 | 乙一 |
|---|---|
| 価格 | 660円 + 税 |
| 発売元 | 集英社 |
| 発売日 | 2024年06月20日 |
『さよならに反する現象』
心霊写真の合成が趣味の僕が撮影をしていると、一人の女性がカメラに映りこんできた。しかし撮影されたデータには無人の交差点が映っているだけだった。映りたがりの幽霊、悠川さんがこの世に残した未練とは……?(『悠川さんは写りたい』より)
ほか、乙一贈る恐ろしくて切ない出会と別れの短編集。
| 作者 | 乙 一 |
|---|---|
| 価格 | 1760円 + 税 |
| 発売元 | KADOKAWA |
| 発売日 | 2022年04月13日 |
『失はれる物語』
事故で全身不随となり、触覚以外の感覚を失った私。ピアニストである妻は私の腕を鍵盤代わりに「演奏」を続ける。絶望の果てに私が下した選択とは? 珠玉7作品に加え書き下ろしの「ウソカノ」を収録!
| 作者 | 乙 一/青柳 奈美 |
|---|---|
| 価格 | 792円 + 税 |
| 発売元 | KADOKAWA |
| 発売日 | 2006年06月24日 |
『サマーゴースト』
“サマーゴースト”という幽霊が現れるという。
夏、使われなくなった飛行場、花火をすると、彼女は姿を現すらしい。自殺した女性の幽霊なのではないかという噂だ。
ネットを通じて知り合った高校生、友也・あおい・涼。3人は“サマーゴースト”を探すために集まった。
3人は幽霊に聞いてみたかった。“死ぬって、どんな気持ちですか?”それを聞くべき理由が、3人にはあったのだーー。
10代からイラストレーターとして活動し、近年はアニメ、作詞、小説、漫画、と多彩なクリエイティビティを展開する俊英・loundraw。
その初監督の劇場アニメーションを、乙一が小説化!
『花火と幽霊』をモチーフにした姉妹作のオリジナル小説『一ノ瀬ユウナが浮いている』も好評発売中。
| 作者 | 乙一/loundraw |
|---|---|
| 価格 | 550円 + 税 |
| 発売元 | 集英社 |
| 発売日 | 2024年07月19日 |
『銃とチョコレート』
| 作者 | 乙一,1978- |
|---|---|
| 価格 | 不明 |
| 発売元 | 講談社 |
| 発売日 | 2016年07月 |
それぞれ異なる世界観を持ちつつも、読者を魅了する共通点があるのが乙一作品のすごさですよね。独特の雰囲気や描写は一度体験すると忘れられなくなります。それほどまでに刺激的なストーリー展開やキャラクター造形、そして描写の詳細さは彼の作品を特別なものにしています。
この6作品の中でも、透き通るような恐怖と切なさが感じられる作品や、普通では考えられないような筋書きで恐ろしさを描き出す作品など、それぞれに乙一の独自の美学が生きています。インパクトのあるストーリーと鮮やかなキャラクター達が、読者の心に深く刻まれることでしょう。
そして何よりも、彼の作品からは一貫して「物語の力」が感じられます。それは恐怖や切なさを通じて、人間の心理や生き様を描くことによって現れます。そしてそれが全てが一つに繋がって、圧倒的な「読みやすさ」を作り出しています。不思議で独特な世界観を巧みに操りつつ、人間が抱く普遍的な感情や疑問を描き出す。それが乙一の作品が持つ力です。
乙一の作品は、あなた自身の心情や視野を広げ、人間の生きざまや感情の深淵を描くことで、あなたを感動の渦へと引き込むでしょう。その物語の力に思いっきり浸かり、夢中になることで見えてくる何か。乙一の作品を読んだ時にだけ感じられる、その何かをぜひ、皆さん自身で体験してみてください。
以上の6作品を通して乙一の世界観をご紹介しましたが、これらが彼の作風の全部ではありません。他にもたくさんの素晴らしい作品が存在します。乙一の作品をまだ読んでいない人は、ぜひこの機会に彼の作品に手を伸ばしてみてください。これまでに体験したことがないようなワクワクやゾクゾクを、彼の作品はきっとあなたに与えてくれるはずです。それでは、素敵な読書ライフをお楽しみください。
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