自分を肯定したくなる言葉がある 西加奈子の名作6選
「自分を肯定したくなる言葉」への願望、それは皆が秘めている思い。そんな時、西加奈子の作品は心地よい言葉で背中を押してくれます。毎日の小さな悩みや、人間関係のもつれ、自己存在の矛盾、そんな営み全体を見つめる彼女の作品たちは、常に優しく、寛容さに溢れています。独特の言葉のセンスは、心にじわりと沁みる響きがあります。後味の良さと温かさを伴いつつ、貴重な気づきを提供してくれます。これら6作品は、「自分」を力強く肯定するきっかけになること間違いなしです。ますますの自己肯定を後押しする友人のように、ぜひ日常の一部に取り込んでみてくださいね。
『すきが いっぱい』
谷川俊太郎さんと 西 加奈子さんによる詩の往復書簡
・谷川俊太郎さんと西 加奈子さんが交互に書いた26篇の詩
・あとがきと挿画は西 加奈子さんの書きおろし
・子どもも大人も一緒に楽しめる詩集
詩人・谷川俊太郎さんと、作家・西 加奈子さんが交互に詩を贈り合う‥‥‥
保育雑誌PriPriに連載されていた「詩のこだま」が1冊になりました。
言葉に初めて触れる子どもたちが声に出して楽しみ、大人たちの心に響く、ということを
テーマにして2022年5月号より始まり、2024年8月号まで2年以上にわたってやり取りは続きました。
2024年11月にご逝去された谷川さんが子どもに向けて呼びかけた最後の詩「すき」。
そのお返事として「すきが いっぱい」と、西さんがこの本のために書き下ろし、お二人の「すき」が重なって、詩集のタイトルとなりました。
西さんの挿画とともに、ひろがっていく詩の世界をお楽しみください。
| 作者 | 谷川 俊太郎/西 加奈子 |
|---|---|
| 価格 | 1870円 + 税 |
| 発売元 | 世界文化社 |
| 発売日 | 2025年12月16日 |
『くもをさがす』
カナダで、がんになった。あなたに、これを読んでほしいと思った。西加奈子、初のノンフィクション。
| 作者 | 西 加奈子 |
|---|---|
| 価格 | 1540円 + 税 |
| 発売元 | 河出書房新社 |
| 発売日 | 2023年04月19日 |
『わたしに会いたい』
『くもをさがす』の西加奈子が贈る、8つのラブレター。
この本を読んだあと、あなたは、きっと、自分の体を愛おしいと思う。
「わたし」の体と生きづらさを見つめる珠玉の短編小説集。
わたしを生きるための言葉。#Imissme --わたしに会いたい。
コロナ禍以前の2019年より、自身の乳がん発覚から治療を行った22年にかけて発表された7編と書き下ろし1編を含む、全8編を収録。
・「わたしに会いたい」--ある日、ドッペルゲンガーの「わたし」がわたしに会いに来る。
・「あなたの中から」--女であることにこだわる「あなた」に、私が語りかける。
・「VIO」--年齢を重ねることを恐れる24歳の私は、陰毛脱毛を決意する。
・「あらわ」--グラビアアイドルの露(あらわ)は、乳がんのためGカップの乳房を全摘出する。
・「掌」--深夜のビル清掃のアルバイトをするアズサが手に入れた不思議な能力とは。
・「Crazy In Love」--乳がんの摘出手術を受けることになった一戸ふみえと看護師との束の間のやり取り。
・「ママと戦う」--フェミニズムに目覚めたママと一人娘のモモは、戦うことを誓う。
・「チェンジ」(書き下ろし)--デリヘルで働く私は、客から「チェンジ。」を告げられる。
【著者プロフィール】
西加奈子(にし・かなこ)
1977年イラン・テヘラン生まれ。エジプト・カイロ、大阪府で育つ。 2004年に『あおい』でデビュー。07年『通天閣』で織田作之助賞、13年『ふくわらい』で河合隼雄物語賞、15年に『サラバ!』で直木賞を受賞。著書に『さくら』『円卓』『漁港の肉子ちゃん』『ふる』『まく子』『i』『おまじない』など多数。23年4月に刊行した初のノンフィクション『くもをさがす』が話題。
| 作者 | 西 加奈子 |
|---|---|
| 価格 | 1540円 + 税 |
| 発売元 | 集英社 |
| 発売日 | 2023年11月02日 |
『漁港の肉子ちゃん』
男にだまされた母・肉子ちゃんと一緒に、流れ着いた北の町。肉子ちゃんは漁港の焼肉屋で働いている。太っていて不細工で、明るいーキクりんは、そんなお母さんが最近少し恥ずかしい。ちゃんとした大人なんて一人もいない。それでもみんな生きている。港町に生きる肉子ちゃん母娘と人々の息づかいを活き活きと描き、そっと勇気をくれる傑作。
| 作者 | 西加奈子 |
|---|---|
| 価格 | 660円 + 税 |
| 発売元 | 幻冬舎 |
| 発売日 | 2021年01月04日 |
『サラバ!(上)』
累計百万部突破!第152回直木賞受賞作
僕はこの世界に左足から登場したーー。
圷歩は、父の海外赴任先であるイランの病院で生を受けた。その後、父母、そして問題児の姉とともに、イラン革命のために帰国を余儀なくされた歩は、大阪での新生活を始める。幼稚園、小学校で周囲にすぐに溶け込めた歩と違って姉は「ご神木」と呼ばれ、孤立を深めていった。
そんな折り、父の新たな赴任先がエジプトに決まる。メイド付きの豪華なマンション住まい。初めてのピラミッド。日本人学校に通うことになった歩は、ある日、ヤコブというエジプト人の少年と出会うことになる。
| 作者 | 西 加奈子 |
|---|---|
| 価格 | 792円 + 税 |
| 発売元 | 小学館 |
| 発売日 | 2017年10月06日 |
『おまじない』
西加奈子作品史上最も"刺さる"珠玉の短編集 待望の文庫化!
【西加奈子×長濱ねる 特別対談収録】
長濱ねるさん絶賛!「何回読んでも、自分にとってのヒントやおまもりになる言葉が見つかる魔法の本です。」
「「燃やす」を読んで、自分の中にいた小さい頃の自分を思い出して泣きました。」 (読者)
「誰にも知られない苦しみによりそってくれる、おまもりみたいな本」 (読者)
年齢も境遇もさまざまな8人の女性たち。
彼女たちを救った「魔法のことば」は、意外な人の何気ないひとこと――
悩んだり傷ついたりしながらも生きていく、すべての人にそっと寄り添うキラメキの8編。
「大人になったら大人として上手いこと振る舞えるようになるし、
自分が"傷ついていない"というていで生きていける。
でももし傷ついている人がいるのであれば、
おこがましいですけど抱きしめるようなものを書きたいと思いました。」
西加奈子(単行本刊行時メッセージより)
| 作者 | 西加奈子/著 |
|---|---|
| 価格 | 620円 + 税 |
| 発売元 | 筑摩書房 |
| 発売日 | 2021年03月12日 |
これまでにご紹介した西加奈子さんの作品は、どれも心の中に優しく深く刻まれる力強さを持っています。文字からにじみ出る独特の感性と愛に満ちた視点が、読むたびに自分を肯定したくなるエネルギーをくれます。それぞれの作品を通して、自分や他人、ありのままの世界を受け入れていく大切さを教えてくれるのです。
また、当たり前の日常が描かれる中で、微熱的な気持ちや感情がゆっくりと揺れ動いていく様子を味わうことができます。その細やかな描写と、優しくも力強い言葉たちには、読み手自身を尊重し受け入れる力が宿っています。
西加奈子さんの作品を手に取ることで、そんな貴重な体験を得ることが可能です。新たな視点とともに見つめることによって、かつては見逃していたありのままの美しさや、一瞬一瞬の価値を再認識する機会にもなるでしょう。
どの作品も人間のフィルターを通して見た世界が描かれており、いつしかその視点を通じて自分自身を見つめることに。そんな時、自分ひとりの力でもがきながら生きていく事の美しさ、強さを再確認できるはずです。
質素な言葉を用いながらも、その一言一句には重みがあり、一度読んだら忘れられない魅力を持っています。これから初めて西加奈子さんの作品を読む方は、ぜひ彼女の世界に身を任せてみてください。大抵の人が、自らの内面と向き合い、深く考えさせられることでしょう。
そして「自分を肯定していく」、そのための一助となるであろう西加奈子さんの全ての作品を、どうぞご堪能あれ。これまでご紹介してきた6作品以外にも、まだまだ素敵な作品がたくさんあります。それらもぜひ、探究してみてくださいね。
端的に表現するならば、西加奈子さんの作品は、心を癒やし、そして成長させてくれる「甘く優しい鞭」です。それぞれ自分自身の色を持つ言葉たちが、胸に深く突き刺さります。どうぞ、自分を肯定できるようになる新たな一歩に、西加奈子さんの作品を添えてみてください。
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