戦後文学の重さとユーモアを味わう 大江健三郎の名作6選|まず読むべき代表作
『文学ノート 付=15篇』
1973年に書き下ろし長篇小説として出版され、その年の野間文芸賞受賞作となった『洪水はわが魂に及び』執筆と並行して、大江健三郎は文芸誌「新潮」1970年12月から1973年8月にかけて6回の「文学ノート」を発表する。これは一般的なイメージでの創作ノートとは大きく異なる、作品を創造することに関する詳細な自己分析の集積である。
また「付=15篇」とされる、最終的に長篇小説『洪水はわが魂に及び』から省かれた細部の15篇は、執筆中の作品と作家にとってどうしても必要な要素であった。
最終稿としての長篇小説、執筆中の作家の意識の詳細な自己分析、執筆途上では作品そのものと作家にとって必要不可欠だった細部、この三者をあわせ読むことで、大江健三郎という稀有な作家の想像力のありよう全体が明瞭となるのである。
文学ノート
*このノートのためのノート
1作家が小説を書こうとする……
2言葉と文体、眼と観照
3表現の物質化と表現された人間の自立
4作家が異議申し立てを受ける
5書かれる言葉の創世記
6消すことによって書く
付=15篇
1隠れ家
2転換
3家族
4自殺する幼児
5光
6悲哀
7少年犯罪団
8未来
9朝鮮人
10革命
11言葉の専門家
12歯
13傷洗い
14結婚
15大洪水後
解説
年譜
| 作者 | 大江 健三郎 |
|---|---|
| 価格 | 1870円 + 税 |
| 発売元 | 講談社 |
| 発売日 | 2026年06月12日 |
『戦後文学者』
戦後文学を読むことで著者は同時代の日本文学を発見していく。作家たちが敗戦後に展開した、各々独自の終末論的ヴィジョン・黙示録的認識。かれらの人間的全体をかけた多様な努力、仕事、生き方を、そこに本質的なつながりの輪を認めながら、持続してとらえなおし、新たな「戦前」を深く感知する。十二+五名の群像が映す時代像。
| 作者 | 大江健三郎/著 |
|---|---|
| 価格 | 不明 |
| 発売元 | 岩波書店 |
| 発売日 | 2023年09月26日 |
『親密な手紙』
「窮境を自分に乗り超えさせてくれる「親密な手紙」を、確かに書物にこそ見出して来たのだった」。渡辺一夫、サイード、武満徹、オーデン、井上ひさしなどを思い出とともに語る魅力的な読書案内。自身の作品とともに日常の様々なできごとを描き、初めて大江作品に出会う人への誘いにもなっている。『図書』好評連載。
一章
不思議な少年
困難な時のための
感受性のある個性
ブクブク
本当のこと
「器用仕事」
人間を慰めることこそ
ヒヨドリ再説
新訳に誘われて
死者たちの時
ジョイスと武満
作曲家と建築家
二章
バロックのブクブク
愛をとりあげられない
幼児が写真を見る
品格の問題
ナンボナンデモ
返 礼
ノリウツギの花
真っさらのタンクロー
短篇作家の骨格
衿子さんの不思議
生活の隙間
三章
様ざまな影響
茫然たる自分の肖像
復 権
心ならずも
伊丹十三の声
しっかりやりましょう!
バーニー・ロセット
毎日毎日うつむいて
ラブレー翻訳は続く
キツネの教え
同級生
希望正如地上的路
四章
不確かな物語
もぐらが頭を出す
同じ町内の
鐘をお突き下されませ
ボーヨー、ボーヨー
偶然のリアリティー
実際的な批評
グルダとグールド
本質的な詩集
先生のブリコラージュ(一)
先生のブリコラージュ(二)
| 作者 | 大江 健三郎 |
|---|---|
| 価格 | 968円 + 税 |
| 発売元 | 岩波書店 |
| 発売日 | 2023年10月24日 |
『沖繩ノート』
プロローグ 死者の怒りを共有することによって悼む
1 日本が沖縄に属する
2 『八重山民謡誌』'69
3 多様性にむかって
4 内なる琉球処分
5 苦が世
6 異議申立てを受けつつ
7 戦後世代の持続
8 日本の民衆意識
9 「本土」は実在しない
| 作者 | 大江 健三郎 |
|---|---|
| 価格 | 1034円 + 税 |
| 発売元 | 岩波書店 |
| 発売日 | 1970年09月21日 |
『同時代ゲーム』
| 作者 | 大江,健三郎,1935-2023 |
|---|---|
| 価格 | 不明 |
| 発売元 | 新潮社 |
| 発売日 | 1984年08月 |
『新しい人よ眼ざめよ』
神秘主義詩人ウィリアム・ブレイクの預言詩(プロフェシー)に導かれ、障害を持って生まれた長男イーヨーとの共生の中で、真の幸福、家族の絆について深く思いを巡らす。無垢という魂の原質が問われ、やがて主人公である作家は、危機の時代の人間の<再生>を希求する。新しい人よ眼ざめよとは、来たるべき時代の若者たちへの作者による、心優しい魂の呼びかけである。大江文学の一到達点を示す、感動を呼ぶ連作短篇集。
<いま現在の僕とイーヨーの共生の意味があかるみに浮かびあがる。>
神秘主義詩人ウィリアム・ブレイクの預言詩(プロフェシー)に導かれ、障害を持って生まれた長男イーヨーとの共生の中で、真の幸福、家族の絆について深く思いを巡らす。無垢という魂の原質が問われ、やがて主人公である作家は、危機の時代の人間の<再生>を希求する。新しい人よ眼ざめよとは、来たるべき時代の若者たちへの作者による、心優しい魂の呼びかけである。大江文学の一到達点を示す、感動を呼ぶ連作短篇集。
リービ英雄
『新しい人よ眼ざめよ』は、innocence(無垢)の危機から始まる、ともいえる。(中略)ブレイクのinnocenceとexperience(経験)の歌が、おり交ぜている、という以上に、語りの言葉の一すじとなる、fatherとsonの詩が、「父親」たる語り手によって読まれている、だけでなく、読まれていること自体が物語の一主題となってゆく。このような「引用」のめざましい活かし方を一言で描ける文芸用語を、ぼくは知らない。--<「解説」より>
無垢の歌、経験の歌
怒りの大気に冷たい嬰児が立ちあがって
落ちる、落ちる、叫びながら……
蚤の幽霊
魂が星のように降って、あし骨のところへ
鎖につながれたる魂をして
新しい人よ眼ざめよ
著者から読者へ
| 作者 | 大江 健三郎/リービ 英雄 |
|---|---|
| 価格 | 1760円 + 税 |
| 発売元 | 講談社 |
| 発売日 | 2007年03月06日 |
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