座間見くんシリーズ！
今度紹介させていただく作品は、普通の男子高校生の生活を描いた物語です。主役は、ちょっぴり内向的な性格で、日々「普通」でいることへの焦りに悩む高校生。彼の視点から描かれる日常の世界は、時に滑稽さを帯び、時に哲学的な深みを呈します。周囲の友人や家族に囲まれながら、彼の苦悩と葛藤、そして成長を共に見守っていくことで、読者自身も「普通」とは何か、自分自身とは何かを問い直すきっかけを得られます。少しシリアスな部分もありますが、心温まるエピソードやユーモラスな描写が満載なので、きっと誰でも楽しめるはずですよ。
『月の扉 長編推理小説』
沖縄・那覇空港で、乗客２４０名を乗せた旅客機がハイジャックされた。犯行グループ３人の要求は、那覇警察署に留置されている彼らの「師匠」を空港まで「連れてくること」。ところが、機内のトイレで乗客の一人が死体となって発見され、事態は一変ー。極限の閉鎖状況で、スリリングな犯人探しが始まる。各種ランキングで上位を占めた超話題作が、ついに文庫化。
| 作者 | 石持浅海 |
|---|---|
| 価格 | 770円 + 税 |
| 発売元 | 光文社 |
| 発売日 | 2006年04月 |
『心臓と左手 座間味くんの推理』
ミステリーにおける最大の謎は、人の心の奥深くにあるー。警視庁の大迫警視が、あのハイジャック事件で知り合った「座間味くん」と酒を酌み交わすとき、終わったはずの事件は、がらりとその様相を変える。切れ味抜群の推理を見せる安楽椅子探偵もの六編に、「月の扉」事件の十一年後の決着を描いた佳編「再会」を加えた、石持ミステリーの魅力が溢れる連作短編集。
| 作者 | 石持浅海 |
|---|---|
| 価格 | 638円 + 税 |
| 発売元 | 光文社 |
| 発売日 | 2009年09月 |
『玩具店の英雄 座間味くんの推理』
津久井操は科学警察研究所の職員。実際に起きた事例をもとに、「警察は事件の発生を未然に防ぐことができるか」を研究している。難題を前に行き詰まった彼女に、大先輩の大迫警視正が紹介したのは、あの『月の扉』事件を解決した座間味くんだった。二人の警察官と酒と肴を前にして、座間味くんの超絶推理が繰り広げられ、事件の様相はまったく違うものになっていく！
| 作者 | 石持浅海 |
|---|---|
| 価格 | 638円 + 税 |
| 発売元 | 光文社 |
| 発売日 | 2015年02月10日 |
『パレードの明暗 座間味くんの推理』
女性特別機動隊に勤務している南谷結月巡査は、向島教官から、大迫警視長との飲み会に参加するよう指示される。待ち合わせ場所にはもう一人、座間味くんと呼ばれるハイジャック事件の英雄も彼女を待っていた。（「女性警察官の嗅覚」）。座間味くんが語る真相で事件の本質を知り、結月は視野を広げ、警察官として成長していく。超絶推理を楽しめる傑作小説集。
| 作者 | 石持浅海 |
|---|---|
| 価格 | 638円 + 税 |
| 発売元 | 光文社 |
| 発売日 | 2019年05月14日 |
『新しい世界で 座間味くんの推理』
離婚と転居をきっかけに運命が拓けた妻と、犯罪者に転落した夫。しかしーー。（表題作）『月の扉』事件の人質だった玉城聖子が大学生になり、警視庁幹部の大迫、そして「座間味くん」と不可解な話を肴に酒を酌み交わす。すると解決済の事件が座間味くんの一言で様相を変える！ 美しいロジックとまさかの真相、本格ミステリーの楽しみ満載の傑作シリーズ最新刊!
| 作者 | 石持浅海 |
|---|---|
| 価格 | 858円 + 税 |
| 発売元 | 光文社 |
| 発売日 | 2024年06月11日 |
それぞれのキャラクターが独自の視点を持っているのが、本作の魅力の一つです。一見シンプルに見える物語も、彼らの視点を通じて見ると全く新しい風景が広がります。掘り下げていくと彼らの胸に秘められた深い思いや、過去の痛みが見えてきて、心に染み入ることでしょう。情緒豊かな描写とリアルな感情表現は、あくまでストーリーを補完し、その魅力を引き立てています。自分の視点を広げ、心を開き、深く考えるきっかけをくれるという点では、全ての読者に読んでほしい1作と言えるでしょう。
また、感情描写が非常に繊細でリアルなことも見逃せません。作中のキャラクターたちの感じるさまざまな感情が優しく、そして時には激しく描かれていて、読者に対して多大な共感を引き出します。さらに、その感情描写の優れた点は、単純にストーリーを進めるだけでなく、読者自身の生活に対する視点を広げる効果をもたらします。
音楽に深く根ざしたストーリーも、この作品の魅力を一層引き立てています。かつて聴いたことのある曲や、深く心に残るメロディーが手に取るように感じられるほどです。それはまるで、キャラクターたちの内面を映し出す鏡のよう。音楽が物語の一部となって、彼らの喜びや悲しみ、希望や絶望を共有させてくれます。
そして何よりも、この作品を一間口に戴くだけで伝わる、フレッシュで美しく、かつ力強いメッセージ。人間の心の複雑さ、愛情の深さ、友情の価値、家族の絆を改めて認識させてくれるでしょう。戸惑い、苦しみながらも自分自身を見つけていく彼らの姿は、読者の心の中で共鳴し、あなた自身の日常もちょっぴり彩り豊かにしてくれます。
どんな時代でも、どんな人にとっても、きっと何かを感じ取れる作品です。人間の心の奥深さ、感情の豊かさを再認識させてくれるでしょう。一度手に取って、その世界に触れてみてください。それがあなた自身の新たな発見や感動を生むかもしれませんよ。
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