文豪好きである私にとっては好きな作品です。
登場人物の元になった文豪たちの文学作品もそれなりに読みますし、思い入れのある文豪もいますが、あくまで今作は、その名前を使ったファンタジーと割り切ったら面白い作品だと思います。
太宰治、芥川龍之介、中島敦といった文豪がキャラクター化され、それぞれの文豪にちなむ作品の名を冠した異能力を用いて戦うアクション漫画です。
主要な登場人物は、ほとんど全員が文豪と同じ名前と誕生日となっており、各自の能力や人物設定も文豪自身のエピソードや作品にちなんだものが多いです。太宰治は「人間失格」など、誰もが耳にしたことのある異能力名となっています。
舞台は横浜市となっていますので、横浜に詳しい人であれば見たことのある風景もたくさん見られるでしょう。
歴史上の人物が登場する作品は世の中にいっぱいありますが、この作品につきましても他作品同様に面白い作品であると思います。
キャラクター性も非常に際立っており、女性受けするキャラクターが多いと思います(かく言う私も、キャラクターたちにハマっています)
作品のテンポも非常に良く、キャラクター達は独特の世界観に馴染んでいます。
また、キャラクター名と能力名は作家と作品を結びつけて印象に残りやすいので、とても良いと思います。
異能バトルものを読んでいる方にとっては、それほど驚愕する能力ではないかもしれませんが、キャラクターと能力は結びつけやすい設定となっているので、好感を持てます。
この作品の面白さやすごさは、あちこちに様々な伏線や工夫を凝らしているところにもあります。例えば、たった一つのシーンがあることで、話の重みが違います。
一見、女性受けしそうなキャラクターが目立ちますが、ストーリー性にもぜひ着目してもらいたい作品です。