著作権法侵害の実態を調べるため、音楽教室に潜入捜査を命じられる主人公。
潜入捜査と言っても、楽器の演奏を習いに通うだけなのだが。ある程度マイナーな楽器、講師が同年代、講師を中心にサークル的な人間関係がある設定は上手いと思った。そこでの人間関係が良いものであるだけに、身分や目的を偽っていることの重みに主人公の悩みは深くなっていくから。
それがバレたときにどうなるのか、ドキドキしながら読み進むことになった。
武器はチェロ。
潜入先は音楽教室。
傷を抱えた美しき潜入調査員の孤独な闘いが今、始まる。
『金木犀とメテオラ』で注目の新鋭が、想像を超えた感動へ読者を誘う、心震える“スパイ×音楽小説"!
少年時代、チェロ教室の帰りにある事件に遭遇し、以来、深海の悪夢に苛まれながら生きてきた橘。
ある日、上司の塩坪から呼び出され、音楽教室への潜入調査を命じられる。
目的は著作権法の演奏権を侵害している証拠をつかむこと。
橘は身分を偽り、チェロ講師・浅葉のもとに通い始める。
師と仲間との出会いが、奏でる歓びが、橘の凍っていた心を溶かしだすが、法廷に立つ時間が迫り……
【著者略歴】
安壇 美緒 (あだん・みお)
1986年北海道生まれ。早稲田大学第二文学部卒業。2017年、『天龍院亜希子の日記』で第30回小説すばる新人賞を受賞し、デビュー。2020年、北海道の中高一貫の女子校を舞台にした青春長編『金木犀とメテオラ』を刊行、書店員からの熱い支持を受けロングセラーとなる。
著作権法侵害の実態を調べるため、音楽教室に潜入捜査を命じられる主人公。
潜入捜査と言っても、楽器の演奏を習いに通うだけなのだが。ある程度マイナーな楽器、講師が同年代、講師を中心にサークル的な人間関係がある設定は上手いと思った。そこでの人間関係が良いものであるだけに、身分や目的を偽っていることの重みに主人公の悩みは深くなっていくから。
それがバレたときにどうなるのか、ドキドキしながら読み進むことになった。