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『法然の手紙を読む』(阿満利麿著)は、法然の思想や人間性を、形式ばらない「手紙」という形から読み解く一冊です。難解な宗教哲学ではなく、法然が弟子や信徒に宛てた生の言葉を通して、彼の優しさ・思いやり・信仰の深さが伝わってきます。阿満氏の解説は平易で、時代背景や文体の特徴も丁寧に補われており、仏教思想に不慣れな読者でも理解しやすい構成です。法然の人間的魅力に触れられる温かい読書体験でした。
浄土宗の開祖・法然は様々な人から教えを乞われていた。本書では、法然が熊谷直実のような武士から式子内親王、北条政子に至る人々に宛てた手紙を平易な訳文とともに紹介する。仏教を専門としない相手に書かれた手紙には、称名念仏による極楽往生こそ救いの道であることが、わかりやすくかつ論理的に説かれている。また文面からは、身分や年齢にかかわらず相手を尊重し、権力とは正面から対峙しない、優しくも強かな法然の人柄が窺える。本書はそうした手紙の読解を通じて、現実から逃げるのではなく往生を見据えて現実を強く生きるという、本願念仏の持つ実践的な力を提示する。文庫オリジナル。
『法然の手紙を読む』(阿満利麿著)は、法然の思想や人間性を、形式ばらない「手紙」という形から読み解く一冊です。難解な宗教哲学ではなく、法然が弟子や信徒に宛てた生の言葉を通して、彼の優しさ・思いやり・信仰の深さが伝わってきます。阿満氏の解説は平易で、時代背景や文体の特徴も丁寧に補われており、仏教思想に不慣れな読者でも理解しやすい構成です。法然の人間的魅力に触れられる温かい読書体験でした。