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オーストラリアに住むカンガルーの双子キップ&キムと、象の双子トビー&トミーの2組の双子が森で迷子になる物語を描いた絵本。幼さゆえのおしゃべりや好奇心が危険な冒険へとつながるが、最後にはお母さんの声が導きとなり暖かな再会が訪れる。絵はやさしい水彩調で、動物たちの仕草や表情がしっかりと描かれ、静かに胸を打つ。石井桃子の訳も言葉のリズムが自然で、読み聞かせにぴったり。親子で“迷子になる恐れ”と“安心できる場所のありがたさ”を感じながら、帰属感や絆を育てる古典的教訓が心に残る一冊。