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八日目の蝉を読んで、とても胸に残る作品だと感じました。物語は、誘拐という罪を通して、「血のつながりだけでは測れない母性」や「家族とは何か」という普遍的な問いを投げかけてくれます。 
主人公の野々宮希和子が、誘拐した赤ちゃんを「自分の子」として育てる過程で生まれる葛藤や愛情は、たとえ倫理的には許されない行為であっても、その“母として生きる時間”の重みと揺らぎを丁寧に描いていて、言いようのない切なさとあたたかさが混ざった感情に胸が締めつけられました。 
また、物語後半で明らかになる、偽りの母子関係から本当の血のつながった家族への再会と、その先にある再統合の難しさ、そのぎこちなさや痛みもリアルで、「家族」というものの価値や意味を改めて考えさせられます。 
重く、決して救いだけではないテーマを扱っているものの、登場人物たちの思いや愛情の深さがしっかり描かれていて、読み終わった後もしばらく心の中で余韻が続きました。おすすめの一冊です。














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