ミステリーが好きで犬も好きなら、絶対におすすめ!
と声を大にして言える作品がこちら、『助手席のチェット』です。
犬や猫といった動物が登場して活躍するミステリーは色々とありますが、
この作品の特徴は、探偵バーニーの相棒犬であるチェットが語り手だという点です。
バーニーのリトル探偵事務所に今回舞い込んだ依頼は、高校生の女の子の失踪事件。
チェットはバーニーの運転する車の助手席に飛び乗って、一緒に捜査を進めていくのですが…
チェットは人の言葉を理解して頭の回転もいい名犬ではありますが、あくまでも犬。
文字が読めるわけでもなければ、もちろん謎解きができるわけでもありません。
それどころか、眠たくなったり気が散ったりしてしまうと人間の会話が聞き取れなくなるため、読者に大事な情報が伝わってこないことも。
逆にチェットが悪い奴のことについてわかっていても吠えることしかできず、バーニーにチェットの真意が中々伝わりません。
そんな歯がゆさはありますが、語り手のチェットが本当に犬らしい愛嬌に溢れているので、話が少々遠回りになっても微笑ましく見ていられます。
チェットとバーニーのお互いに対する信頼関係も素敵です。
思わずハラハラしてしまうスリリングな展開が多いのも見どころ。
犬が好きな方にはぜひ一度読んでみて欲しい作品です。