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設定は違うが『ホテルローヤル』と同じく、連作短編の中に、人生の悲哀が淡く描かれる感じ。
映写技師としてはほとんど仕事がなくなった信好とお嬢様育ちの沙弓。ほとんど妻に食べさせてもらっているような状態だが、アパートから一戸建てに引っ越したり、紹介してもらって仕事に恵まれたり、多少の好転もあってというストーリーが、夫婦を取り巻く周囲の人に視点を当てたりしながら、進んでいく連作。
感情の機微が細かく描かれすぎなところが、上手いとは思うけれど、読んでいて楽しめない作品。