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芥川龍之介の友人(小島政二郎は芥川の後輩の格)である著者が、芥川が自殺へ突き進んだ背景を書く。芥川が養子であったこと、またそれが理由で彼が本当の「小説家」にはなれず、「物語作家」に終わったことなどを指摘する。
芥川に親近した小島にしか書けない、芥川龍之介にかかる非常に興味深い作品。
若き日に師事した芥川龍之介の姿を活写した、著者晩年の作。芥川文学の、漢文脈による洗練された修辞をはじめとした教養主義は、「私」を語ることのできない「物語作家」に彼をおしとどめ、「小説家」へと転身をはかろうとした試みの不可能性を悲劇を読み解く。芥川の作品の持つ窮屈さは、養子・龍之介の養家への気兼ねの表われだとも喝破する。身近に接した芥川を、老成した小説家の眼で捉えた快作。
芥川龍之介の友人(小島政二郎は芥川の後輩の格)である著者が、芥川が自殺へ突き進んだ背景を書く。芥川が養子であったこと、またそれが理由で彼が本当の「小説家」にはなれず、「物語作家」に終わったことなどを指摘する。
芥川に親近した小島にしか書けない、芥川龍之介にかかる非常に興味深い作品。