この作品は、“ラノベ業界モノ”というジャンルの皮をかぶった、完全にぶっ飛んだ異世界ギャグファンタジー。講談社ラノベ文庫を舞台に、ドラゴン、ゴーレム、猫耳美少女編集者、そして実名ネタまで飛び交う、作者・榊一郎さんの“暴走と自虐”が詰まった一冊です。主人公・久能拓哉が講談社を訪れると、そこは地下迷宮。編集者は対物ライフルを構え、作家はドラゴン化し、入館証はゴーレムが発行する――この設定だけで笑ってしまうのに、物語は意外と“業界あるある”を真面目に語ってくる。このギャップがクセになります。「一発書きのためにアルバイトにプロットを語って筆記させる」など、創作の裏技がギャグの中に混ざって登場。売れる作品と書きたい作品の違い、編集との関係性、執筆速度の工夫など、美少女文庫で活躍する“さかきいちろう”の正体が明かされるなど、作者自身をネタにした展開も満載。実在の編集者や作家の名前が“偶然”一致するキャラが登場するなど、内輪ネタも多いですが、それを笑いに昇華する筆力が見事です。講談社が魔窟であるという設定は、業界への愛と諦念が混ざった“皮肉のファンタジー”。それでも、主人公が自分の作品を届けようと奮闘する姿には、創作への情熱が感じられます。ふざけているのに、時々真面目――それがこの作品の魅力です。この作品は、ラノベ業界を“異世界”として描くことで、創作の苦悩と喜びを笑いに変えてくれる一冊。
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発売日: 2021年01月04日
発行元: 講談社
久能拓哉は、とあるライトノベルの新人賞を受賞したのだが、どうやら担当者が失踪したらしい。自著出版の直談判で訪れた東京・音羽の講談社という出版社で、駅を降りただけなのにいきなり《地下迷宮》に迷い込んでしまう拓哉! 次々と現れる、ドラゴン、黒パンゴスロリ美少女、ゴーレム……作家人生始まる前に強制終了しかねないピンチに、拓哉がとった行動が、彼を想像の斜め上の事態に巻き込んでしまって……軽小説家歴20数年、ラノベ世界の重鎮が敢えて描き出す、ライトノベルの夢と希望と真実と珠玉の創作論を交えた業界神話登場!!
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