まるやまあやこさんの『たんぽぽのふね』は、小さな綿毛が風に乗って旅をする様子を、温かく優しい言葉で描いた絵本です。
読み進めるうちに、私もたんぽぽの綿毛になったような、ふわふわとした気持ちになりました。
それぞれの綿毛が、新しい場所への希望を胸に、少し不安ながらも力強く飛び立っていく姿が印象的でした。
困難に立ち向かいながらも、決して諦めない綿毛たちの姿は、私たちに勇気を与えてくれます。
また、絵の繊細なタッチと、色使いの美しさも心に残りました。
風の流れや光の表現が豊かで、ページをめくるたびに、まるでその場にいるかのような感覚を覚えました。
この絵本を通して、小さなものにも大きな力や希望が宿っていることを改めて感じました。
日常の中で見過ごしてしまいそうな小さな存在にも、目を向けることの大切さを教えてくれる、心温まる一冊でした。