心の傷と再生を静かに描いた物語で、とても胸に響きました。過去のつらい出来事を背負いながらも、それぞれの人生を懸命に歩む登場人物たちの姿が優しく描かれていて、読んでいると自然と応援したくなります。時間をかけてゆっくりと関係が紡がれていく様子や、心の距離が少しずつ縮まる感じが丁寧で、読み終えた後に深い余韻が残りました。悲しみの中にも希望が見える、温かい物語です。
よくある設定の、しかし大好きな、少女と青年が、小さな世界をつくっていく話。ただ、ストックホルム症候群を疑われる少女のその後がリアルで、周囲の優しさ混じりの無理解が主人公の少女を苦しめていくのがよく分かって、幸せになってほしいなあと思う。
凪良ゆうの『流浪の月』は、過去の事件によって社会から孤立した少女・更紗と、彼女を静かに支える青年・文の関係を描いた感動作です。傷ついた二人が互いを理解し、少しずつ心を開いていく過程が丁寧に描かれ、切なさと温かさが同時に胸に迫ります。社会の偏見や罪の重さを背景にしながらも、希望や人を思いやる優しさが物語全体に漂い、読み終えた後も余韻が長く残る、心に深く響く小説です。
流浪の月 を読んで、ものすごく胸が締め付けられました。社会の「常識」では語れない、家内更紗と佐伯文という二人の、“当事者にしかわからない関係”の描写が切実で、正解のない感情や痛みをリアルに感じさせられました。 
「罪」「偏見」「再出発」「理解と誤解」の間で揺れる二人の姿を通して、世間の価値観で人を決めつける怖さや、「真実はひとつじゃない」というメッセージに深く考えさせられ、読後はしばらく心が揺れ動いていました。 
重く苦しいテーマを扱ってはいますが、そのぶん“人間の複雑さ”や“傷ついた心の再生”について、強く響く一冊だと思います。
















