『インド五千年のサイコセラピー ─ヨーガ療法ダルシャナ─ 伝統的ヨーガにもとづくヨーガ療法標準テキスト』(木村慧心)は、ヨーガの古典的知識と現代心理療法を結びつけた実践的な指南書です。ヨーガの哲学や呼吸法、瞑想法を通じて心身のバランスを整える方法が体系的に解説されており、精神的な安定や自己理解を深める手法として非常に参考になります。伝統的なヨーガの知恵を現代の心理療法に応用する視点が新鮮で、実践的かつ学術的にも価値のある一冊です。
インド古来より続くヨーガ行者同士(主に師匠と弟子)間の質疑応答・面談を表す言葉「ダルシャナ」は、現代医学の「カウンセリング」という意味合いも含み、当時から人間が抱える心と体の問題の解決への道しるべでもありました。科学的な医療法が確立するずっと前、インドでは「病気(の状態)」とは、心と体にある複数の病素(ドーシャ)が影響をし合い、起こるものと考えられてきました。現代にも通じるこの「心身相関」の考え方は、科学的医療が発達すればするほど顧みられなくなってきています。
普段通りに生活していくだけでも様々なストレスにさらされている世界中の人たちにとって、ストレスが引き金となることが多い心身症疾患が増えてきているのは、大きな問題となっています。加えて心の乱れから発症する精神科領域の機能的疾患、両疾患はどちらも当人の「心と体のありよう」が複雑に関わり合っている病であり、現代西洋医学だけでは原因の特定や根治、再発の防止は難しいとされています。
現在、両疾患の根治への糸口には、「心理療法(サイコセラピー)」と呼ばれる療法があげられます。それは「カウンセリング」や「対話」、「トレーニング」などを通して自分自身の考え方や行動などに変容をもたらし、問題の解決に寄与していき人々の精神的健康の回復や保持、増進を図ろうとすることを目的としており他の化学療法とあわせ効果をあげています。この現代医学から生まれた言葉である「サイコセラピー」を体現する技法が、インドではすでに約五千年も前に生まれており、古代からの大切な智慧として聖典等に書き記され、現在まで連綿と受け継がれています。そしてその教えこそが本書で紹介しているヨーガ療法・ダルシャナ技法の核となっているのです。
本書は、ヨーガ療法ダルシャナ技法について、その理論の源泉である聖典群からの教え紐解き理解を深めるとともに、実際の症例紹介を交えつつ重要な項目ごとにレベル1から4までと計7つのステップを通してより分かりやすく書かれた実践的なヨーガ療法指導書です。
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