2008年の1巻発売当時はマイナーだった競技かるたの世界を描いた青春漫画です。本作のアニメ化や映画化などもあって、現在ではすっかりメジャーになりました。
冒頭で競技かるたの女性日本一を決めるクイーン戦に臨んでいる主人公、綾瀬千早(あやせちはや)。
1巻は当時小学生だった彼女がかるたと出会い、仲間や師弟に助けられたり、ライバルと出会ったりしながらその世界に引き込まれていく前日譚の構成となっています。
自分の一番やりたいことがまだみつからず、姉の夢の応援ばかりしていた小学6年生の千早。
一方、福井県から転校してきた綿谷新(わたやあらた)は、いつも同じ服を着ていたり、無口なうえに福井弁なまりだったりで、学校でいじめにあっていました。
ふとしたきっかけでその新から競技かるたの存在を教えられ、その楽しさに魅了される千早。
新をいじめていた真島太一(ましまたいち)も巻き込んでかるたの世界に没頭してく3人の様子が描かれています。
親から過剰な期待を受ける太一と、反対に姉に夢中の親からかまってもらえない千早。
仲間には優しいのにはみ出した人には厳しい友達。
厳しくも優しいかるたの師匠。
最初は嫌な奴だったのに、切磋琢磨しながらお互いを高めあっていくライバル。
1巻はかるたに焦点を当てながらも、小学生特有の仲間意識やいじめ、家族や友達との関係といった要素も詳しく描かれており、大人はもちろん同年代の子供にも読んでもらいたい内容となっています。