ありがとう
0
元マジシャンの神尾が営むバーを舞台にちょっとした事件が起こる短編集。
事件解決のためにとる神尾が意表をつく手に、真世が騙されたり、振り回されたりする、そのワトソン博士役は読んでいて楽しい。
インテリアデザイナーの姪、真世の顧客が事件に絡むことも多く、お金持ちの豪華な生活が垣間見られるのも面白い。お金持ち絡みだとお金儲けになるかもしれないから、と首を突っ込む神尾だが、むしろ調査に持ち出しが生じることが多く、実は人がいい善意の人物なのか、あるいはマジシャン時代に稼いでお金には困っておらず、暇つぶしに面白がっているだけなのかも。
神尾の好き勝手な様はうらやましく、読んでいてすかっとさせられる。