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ストーリーの登場人物の一人が次のストーリーの中心になる形で繋がる連作短編。
蛍の群生する小さな村、お腹にいた子どもが成長する何年にもわたる時間軸で描かれていることや、前のストーリーとどのように繋がるストーリーなのか読み進めてやっとわかるように描かれていることなどから、短編集のような構成でありながら作品世界の大きさを感じる作品。
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連作短編集である本作は、「逃亡の夜」から物語が始まります。お腹の子の父親に全財産を持ち逃げされた上に、多額の借金まで背負わされた幸恵が、蛍が飛び交う山で自殺を考えます。そこで偶然、同級生の隆之と再会します。
フィクションとはいえ、次々と人が亡くなったり、殺意を抱いたりするような重い展開が続き、読んでいて苦しくなる部分もありました。それでも、どの物語も最後にはかすかな光が見え、読者に希望を与えてくれるところが、この作品の魅力だと思います。
正道の視点で描かれた物語がないからこそ、彼の抱える苦悩や、すべてを受け入れて生きていかねばならない辛さが、より重く心に響きます。
いい話だったと単純には言い切れない、複雑な読後感です。しかし、だからこそ深く心に残る、町田さんの作品らしい一冊でした。

















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