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松本清張の『点と線』は、戦後の社会背景を巧みに織り込みながら、緻密な推理と人間心理を描いた傑作ミステリーです。犯罪の動機や事件の真相が丁寧に解き明かされる過程で、登場人物の葛藤や弱さも浮き彫りになります。文章は冷静で簡潔ながら、事件の緊迫感や都市の影を巧みに表現しており、読み進めるほどに真相への興味が高まります。論理的推理と人間描写が見事に融合した作品です。
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『点と線』は、一見心中に見える事件から、
ベテラン刑事たちが列車の時刻表や“わずかな空白の時間”を手がかりに、
巨大な汚職の闇へと迫っていく過程が非常にスリリングな作品だと感じました。 
鉄道ダイヤや地理が精密に組み込まれたアリバイトリックは、
単なる謎解きにとどまらず、昭和という時代の空気や社会の歪みまで浮かび上がらせています。 
人間の欲と計算高さ、そして執念深い捜査の積み重ねが“点”から“線”へとつながっていく構造が見事で、
社会派ミステリーの古典と呼ばれる理由がよく分かる一冊でした。


















