「あの世には天国と地獄がある。」
この一文から始まる裏表紙のあらすじ紹介のとおり、物語の舞台は日本の「あの世」です。
細かく描き込まれた色彩豊かな表紙から、緻密な「あの世」描写が繰り広げられるシリアスかホラーな雰囲気かな? とページをめくりました。
すると、意外にも登場人物たちがコミカルなんです。
一話で桃太郎はいきなり道場破りのような登場をしますし、舞台が地獄とは思えないほどキャラが生き生き(死んでるはずなんだけど)しています。
そんな個性あふれる登場人物たちが持ち込む騒ぎでいつも地獄は大混乱。
期待通りの緻密な描写とギャグ要素あふれるストーリー展開で、複雑な世界観のはずなのにするする読み進めてしまいます。
大忙しの日々で人手が足りないのはこの世もあの世も一緒なようで、地獄で働く「獄卒」たちも毎日大変そう。
地獄は死者を罰する刑場のようなところなので、獄卒の仕事はもちろん死者(亡者)を罰すること。
そう思うと怖そうなイメージが浮かびますが、彼らの仕事の悩みは自分たちのものとどこか似ているような……?
獄卒もアフター5を楽しむし、厄介な仕事相手(亡者)に振り回されることもしばしば。
この作品で描かれているそんな獄卒たちの日常は、どこか親近感を覚えるものばかりです。
そして職場のヒーローといえば、困難な状況をスパッと解決してくれる敏腕上司!
地獄ならではの珍事を鮮やかにさばいていく鬼神・鬼灯の活躍がスカッとしてカッコいいんです。
そんな鬼灯が主役の地獄日常バラエティ、ぜひあなたも一緒に楽しみましょう!