人間は皆、カタチは違えど誰かからの承認を求めている。皆の承認欲求が複雑に絡み合えば、その環境はさらなる歪んだ欲求へと繋がっていくんだなと。
こうして本の感想を書いているのもまた、自分の記録に残しておくためだと言い聞かせながら、誰かからのいいねが欲しいのかもしれない。そんなことを考えながら読んでしまった。
あと、269ページの「歴史を描くというのはね、時に、洗濯物の埃なのよ」という文章がとても好きだった。10年後に思い出す言葉を見つけたいがために小説を読んでいる節があるので、そんな言葉を見つけられてよかった。
出せば必ず売れる作家、天羽カイン。しかし無冠のままです。今すぐ作家を辞めても一生遊んで暮らせるほどの蓄えはありますが、彼女が求めるのは富ではなく栄誉。どうしても直木賞が欲しいのです。物語は、カインが最も信頼する編集者の千紘、直木賞の選考会司会者である文藝春秋の石田、それぞれの視点から描かれます。これほどまで欲しいものを「欲しい」と堂々と表明できるのは、ある意味ですごいことだと感じました。待ち会で受賞を逃せば暴れ、司会者を呼び出して口汚く言いたい放題。お抱え運転手に対しても、気に入らなければ後部座席から蹴りを入れるほどです。人間性には問題があると思いますが、作品や読者に対しては真摯に向き合っている姿が印象的でした。キャラクターも展開も非常に強烈で、最後まで引き込まれました。












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