食料と環境の問題が経済学の視点からどのように分析され、政策としてどのように機能するのかを深く理解できました。本書は、理論だけでなく実証研究を重視しており、データに基づいた政策の検討が重要であることを改めて実感しました。
暮らしに直結する食料と環境の政策課題を考える際、理論と実証の適切な組み合わせが必須となる。豊富な事例で、経済学的方法を解説。
市場メカニズムの機能と政府の役割をどう評価するか。われわれの生活に直結する食料問題や環境問題においてこの課題は重要である。どのような視点で見るかという「理論」と実際に何が起きてるのかという事実認識が適切に組み合わされなければ良き解決策は示せない。本書は豊富な事例をふまえ、その経済学的方法の丁寧な解説を試みる。
はしがき
図表目次
第1章 食料生産の理論と実証:基礎編
1.1 食料生産の技術選択
1.2 農業の生産関数
1.3 BC過程の利潤最大化
1.4 M過程の費用最小化
1.5 産出距離関数
1.6 技術進歩
【演習】
第2章 食料生産の理論と実証:応用編
2.1 直接支払制度の経済分析
2.2 政策変更に伴う生産者の技術選択
2.3 農業の選択的拡大
2.4 メタ生産関数と成長会計分析
2.5 中国農業の発展と農民専業合作社
2.6 農家の兼業化と農業の構造問題
【演習】
第3章 農地貸借の理論と実証
3.1 農地貸借の理論
3.2 マルチ・エージェント・モデル
3.3 日本と中国の農地制度改革
3.4 農地貸借市場の実証分析1:日本の都府県の事例
3.5 農地貸借市場の実証分析2:中国甘粛省の事例
3.6 農地貸借市場の実証分析3:中国江蘇省の事例
【演習】
第4章 世界の穀物市場と食料安全保障
4.1 穀物生産と貿易の動向
4.2 食料自給率と農業保護
4.3 世界の食料安全保障
4.4 アフリカのフード・アクセス
【演習】
第5章 経済成長と農業
5.1 ペティ=クラークの法則
5.2 労働力の移動と国民経済
5.3 比較優位の原理
5.4 経済成長と農業の競争力
5.5 穀物貿易に関する実証分析
補論1 中国の所得格差
補論2 価格に関するゼロ次同次性とワルラス法則
【演習】
第6章 厚生経済学と食料・環境問題の余剰分析
6.1 資源配分と所得分配
6.2 厚生経済学の基本定理と社会的余剰
6.3 食料問題の余剰分析
6.4 環境問題の余剰分析
【演習】
第7章 農村共有資源の保全と管理
7.1 共有資源の属性
7.2 共有資源の枯渇
7.3 共有地の悲劇
7.4 悲劇の回避
7.5 進化論的ゲーム理論
7.6 灌漑管理の協調行動
補論1 ナッシュ交渉解
補論2 漁場で多数の漁師が操業するケース
補論3 混合戦略を含むナッシュ均衡
【演習】
第8章 環境支払いの理論と実証
8.1 環境・生態系サービスに対する支払い
8.2 PESに関する争点と論点
8.3 日本農業とPES
8.4 向上対策への加入要因と成果
8.5 中山間地域等直接支払の制度設計
【演習】
補章 経済数学の補足的説明
引用文献
あとがき
索引
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