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源田京一『彷徨える日本史 皇国主義者、スプリンター作家三島由紀夫が『葉隠』で見た武士道の世界と陥穽』は、三島由紀夫が『葉隠』に見出した武士道の理念を通して、戦後日本の精神史とアイデンティティの迷走を読み解く思想評論書。三島の「行動する美学」と『葉隠』の「死を覚悟する生の倫理」との共鳴・乖離を丁寧に分析し、理想と現実、信念と破滅の間で揺れ動いた彼の内面を浮き彫りにしている。文学・思想・歴史が交差する重厚な一冊で、日本人の精神的根源を問い直す深い読書体験となった。