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小学生が主人公の短編集。勝手に長編だと思い込んでいたので、読み終えた時はその軽やかさに少し拍子抜けしましたが、一編一編の中身はとても濃く、面白いものばかりでした。
特に強く感じたのは、先入観や思い込みで物事を判断してしまうことの愚かさです。そして、その偏った見方を大人が無意識に子どもへ植え付けてしまっているかもしれないという事実に、背筋が寒くなるような恐怖を覚えました。
収録作の中で印象的だったのが「逆ワシントン」お母さんのキャラクターがとにかく強烈です!一人の女性としてはその潔さに憧れてしまいます。
また、「僕はそうは思わない」というエピソードも心に残りました。周囲に流されず、たとえ口に出せなくても心の中で強く念じ続けることで、自分を守り、世界を変える力になるのではないかと勇気をもらえました。
瑞々しい感性の中に、大人への鋭い警鐘が隠されているような、伊坂作品の魅力に触れられた一冊でした。


















