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田中角栄の生涯を一人称で書いているので、田中角栄の自伝か、と錯覚しそうになる。何かの意図があるのか、単行本らしいページ数にするためなのか、やたと字が大きいのも、一人語りの雰囲気を出している。
ロッキード事件の辺りを本人がどのようにとらえているか、自身も政治家だった石原慎太郎がどう描くのか、が気になるところ。お金を受け取ったことが、だから悪いという意識でない、という感覚はそれはそれですんなり読める。
若手の政治家として頭角を現した人物だったのに、歳を取って後進を登用する、とはならない。きれいな物語に仕立ててあるわけではないので、読後感は悪くない。
















