どうしても酒を飲まずにはいられない人生について。
「この調子で飲み続けたら、死にますよ、あなた」
それでも酒を断てず、緊急入院するはめになる小島容。
ユニークな患者たちとの会話や担当医師との対話、
ときおり訪れる、シラフで現実と対峙する憂鬱、
親友の妹が繰り出す激励の往復パンチーー
「飲む人間は、どっちかが欠けてるんですよ。
自分か、自分が向かい合ってる世界か」
劇作家、ミュージシャン、放送作家、ラジオパーソナリティ、小説家……
尼崎に生まれ、独創的なユーモアで幅広く活躍した中島らも。
実体験をベースに、生と死のはざまで揺らぐ人々を描き、
吉川英治文学新人賞に輝いた著者の代表作が新装版になって再登場！
没後20年を経ていまなお読者の心をつかんで離さない、
すべての酒飲みにささげるアル中小説のロングセラー。
ゲスト
中島らも『今夜、すべてのバーで〈新装版〉（講談社文庫 な 41-23）』は、酒場を舞台にしたエッセイ的短編集で、人間模様や人生の機微をユーモアと哀愁を交えて描いた作品です。バーという日常の特別な空間を通して、出会いや別れ、孤独や喜びが鮮やかに描写され、読者は登場人物たちの人生の断片に共感します。軽妙でありながら深い洞察に満ちた文章が印象的で、人生や人間関係をしみじみと考えさせられる、味わい深い一冊です。
