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とても独特で印象に残る作品でした。李歐というキャラクターのミステリアスで魅力的な雰囲気に引き込まれ、彼の冷たさの裏にある複雑な感情がじわじわと伝わってきました。一方で、一彰の成長や葛藤も丁寧に描かれていて、二人の関係性が物語の中心として強く響きます。物語全体に漂う切なさや緊張感が続き、ページをめくる手が止まらなかったです。また、大阪の工場地帯のリアルな描写や、銃器製造の細かい部分が物語に深みを与えていて、単なる人間ドラマ以上の重みを感じました。美しさと哀しさが混ざり合った、どこか忘れられない世界観が心に残る一冊でした。