『フェイクニュースを科学する』の読書感想文をご紹介します。
本書は、現代社会における情報拡散の仕組みを解き明かす一冊。
本書では、デマや陰謀論がどのように広がり、人々の心理に影響を与えるのかが、科学的な視点から詳細に解説されています。
特に印象的だったのは、人間の認知バイアスがフェイクニュースの拡散に大きく関与している点。
私たちは、自分の信念や感情に合致する情報を無意識に受け入れやすく、反対の情報を排除する傾向があります。
この心理的な脆弱性が、誤情報の拡散を加速させているのです。
また、SNSなどの情報環境が、この問題をさらに複雑にしていることも指摘されています。
アルゴリズムによる情報のパーソナライズは、私たちを同じような意見を持つ人々の「エコーチェンバー」に閉じ込め、異なる視点から情報を検証する機会を奪ってしまいます。
本書は、フェイクニュースの問題を単なる情報操作としてではなく、人間の心理や社会構造に根ざした問題として捉えることの重要性を教えてくれます。
情報リテラシーを高め、批判的思考を養うことの必要性を強く感じました。