タイトルに惹かれて購入した作品でした。
『神去』とは舞台となる村の名前で、『なあなあ』とは“ゆっくりいこう”“まあ落ち着け”というニュアンスを含む村人の口癖。
これだけ見ると、のほほんとした雰囲気を感じますが、主人公はのんびりとしていられません。
平野勇気は、神奈川県の高校を卒業したばかり。
卒業後の進路をなにも考えていなかったため、担任教師の計らいで半ば強制的に神去村の中村林業株式会社へ就職することになります。
馴染みもなければ、望んだわけでもない山仕事。
初めは村からの脱走を目論むも、慣れるにつれて村から離れがたくなっていき…?
四季を直に感じとれる村で林業の世界を垣間見られるーーこの作品の面白いポイントのひとつです。
そして、山仕事をする時のチームメンバーも魅力的。
たとえ第一印象が悪くても、だんだんと好きになってしまうキャラクターたちです。
ひと言でまとめると、主人公が林業を通じて成長していく物語ですが、要所要所に笑える場面がしっかりと用意されていて、エンタメ小説としてもレベルの高い作品だと思います。
作品の山場、神去村で行われる神事の展開には主人公同様、きっと驚かれることでしょう。
その詳細を知りたい方はぜひ、実際に手に取って読んでみてください!