ありがとう
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【ずっとここから見てたのに、全然気づいてくれなかったですね】
「かくれんぼ」をモチーフに、恋人関係における追う者と追われる者の立場逆転を描いた傑作小説。タイトル「破局」が恋愛だけでなく、人生にもかかっていたとラストでわかった瞬間は衝撃が走った。一見スタンダードな恋愛小説と見せかけながら、随所に不穏なセリフや動作、そして違和感を覚えるシーンが出てくるのも好みのテイスト。恋人だから「~すべき」という考えに固執しすぎて、どこか無機質で血が通っていないまるでゾンビのような主人公・陽介を待ち受ける展開に目が離せない。