14年前に母が三女の家庭教師と駆け落ちし、長女はそのすぐ後に嫁に行き、次女はずっと家を支えてきました。三女と四女はまだ高校生でした。
そんな中、62歳になる父が「再婚したい」と言い出したことから、物語は始まります。
父の再婚相手が自分たちと年の変わらない若い人だと知り、怒りに駆られた次女は、姉妹を呼び寄せて緊急会議を開くことに。しかし、そこで告げられたのは、相手がまさかの男性だという事実でした。
癖の強い四姉妹のわちゃわちゃとしたやりとりが本当に面白く、笑いながらもページをめくる手が止まりませんでした。それぞれの立場や本音がぶつかり合う姿は、真剣で切実なのに、どこかおかしくて笑えてしまう。
みんなが自分勝手で、言いたいことを言い合い、ものすごく厄介なのですが、だからこそ「なんかいいなぁ」と思えてしまう不思議な魅力がありました。家族の複雑な事情を描きながらも、温かい気持ちにさせてくれる一冊です。