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歯科医の正樹には、中学二年生で不登校になって以来、7年間引きこもり続けている息子・翔太がいます。娘の結婚を機に翔太を立ち直らせようと、無理に塾へ通わせようとしますが、その計画は失敗。翔太は暴れるようになり、復讐心を露わにします。
これまで問題から目を背けてきた正樹でしたが、翔太のために裁判を起こすことを決意します。物語の中で、入院した翔太に対し、正樹が生きていてくれるだけでいいと気づき、それを告げる場面があります。親として行き着く先は、結局その一言に尽きるのだと感じました。
どんなに状況が悪くても、親が味方でいてくれること、側にいてくれること。それが子供にとって一番の心の支えになるのかもしれません。
壮絶な親子関係の葛藤が描かれていますが、最後には光が見える、希望のある終わり方で本当に良かったです。家族の再生について深く考えさせられる一冊でした。














![週プレNo.51 12/22号 [雑誌]の表紙画像](https://m.media-amazon.com/images/I/51Tx24AmMUL._SL500_.jpg)
