☆第13回小学館ライトノベル大賞のガガガ賞と審査員特別賞のW受賞☆
2022年9月、劇場アニメ化の青春がつまった話題作です!!
青空の下、どこか悲しげな少女が佇んでいる表紙が印象的で、気づけば手に取っていました。
はやる気持ちを抑えながらページをめくると、自然豊かな町に息づく青春が広がります。
主人公は、男子高校生・塔野カオル。
自然との距離が近い生活に、彼は辟易しています。
自然と共生する生活は楽しそうに思えますが、そこで生きる人にしかわからない苦労もあるようです。
ある日、塔野は都市伝説『ウラシマトンネル』を耳にします。
欲しいものがなんでも手に入る代わりに、
その代償として、トンネルに入ると年を取るという不思議なもの。
都市伝説に矛盾を見つけた塔野は、自分なりのピリオドを打ちますが、
その夜、都市伝説の舞台らしきトンネルを見つけてしまいます。
5年前に妹を亡くして空っぽになっていましたが、妹がまた自分の隣にいてくれたら…と願わずにいられない塔野。
なんとしてでも妹に会いたい彼は、放課後に一人でトンネルの現象を解明しはじめますが、
芯の強そうな転校生・花城にあとをつけられて、彼女と協力関係を結ぶことに。
塔野の前だけで見せる、普段のクールで大人びた花城からは想像できない、あどけなく無邪気な年相応の彼女からも目が離せません!
明らかになっていく、都市伝説にはなかった真実……
果たして彼は妹を取り戻すことができるのでしょうか?
そして、年の重ね方が他人と違っても、人は幸せになれるのでしょうか?
次から次へと現れる謎が解き明かされていく様子に引き込まれ、気づけば時間がたつのも忘れて読みふけっていました。
人の心を動かすのは、やはり他人の想いだと気づかせてくれる作品です。ぜひ一度ご覧ください!