この国の近未来が舞台らしいのだが、まるで過去の話のようでもあり、どこか遠い異国が舞台のようにも感じられる、不思議なテイストの物語。
少女サーカスの光と闇。ブランコ乗りの姉妹の友情、愛情、憎悪、そして成長と別離が描かれる。
未曾有の大地震が首都・東京を襲った後、復興の名目で湾岸エリアに大人の街ーーカジノ特区がオープンしてから長い時間が経った。今宵も、街を象徴し、盛り上げるために置かれた少女サーカスでは、古き文学者の名を冠する精鋭たちが舞台へと踊り出る。が、あるとき花形の空中ブランコ乗り・片岡涙海が練習中に落下。身代わりとして容姿がそっくりの双子の妹・愛涙が舞台に立つことになる。やがて、その命が狙われて……?
熱狂とその舞台裏、大人たちの黒い思惑を巻き込みながら、嘘を背負って生きるふたりが見つけた結末はーー。
一瞬に命をかける少女たちの輝きを閉じ込めた「少女文学」紅玉いづき、異色の青春ミステリ!
■著者プロフィール
紅玉いづき
1984年生まれ、石川県金沢市出身。金沢大学文学部卒業。2006年、少女の崩壊と再生を描いた『ミミズクと夜の王』で第13回電撃小説大賞を受賞、07年同作にてデビュー。逆境を跳ね返し、我がものとしていく少女たちを描き、強固な支持を得ている。
この国の近未来が舞台らしいのだが、まるで過去の話のようでもあり、どこか遠い異国が舞台のようにも感じられる、不思議なテイストの物語。
少女サーカスの光と闇。ブランコ乗りの姉妹の友情、愛情、憎悪、そして成長と別離が描かれる。