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「踊る昭和歌謡 リズムからみる大衆音楽」の読書感想文をご紹介します。
昭和歌謡をリズムという切り口から捉え直すことで、新たな昭和音楽史を提示する意欲作です。
本書では、戦前から戦後にかけての日本の大衆音楽を、ジャズ、マンボ、ドドンパ、ツイストといった外来のリズムがどのように受容され、日本独自の歌謡曲として昇華していったのかを詳細に分析しています。
リズムに着目することで、これまで光が当てられてこなかった「踊る」音楽、すなわち大衆が身体で感じ、参加した音楽の歴史が浮かび上がってきます。
著者は、単なる音楽史の記述に留まらず、当時の社会背景や文化状況を織り交ぜながら、リズムが人々の生活や感情にどのような影響を与えたのかを考察しています。
例えば、戦後の復興期におけるマンボブームは、人々に明るい未来への希望を与えたと解釈できます。
本書は、昭和歌謡を新たな視点で捉え直すことで、その魅力を再発見させてくれます。
音楽好きはもちろん、昭和文化に関心のある人にもおすすめの一冊です。