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巨勢入道河童 平清盛の読書感想文をご紹介します。
本書は、平清盛が河童となり、自らの生涯を振り返るというユニークな設定に惹かれ、手に取った一冊です。
河童になった清盛が、人間だった頃の出来事を客観的に語ることで、その生涯がより立体的に浮かび上がってきました。
権力闘争に明け暮れた男が、死後、河童として新たな視点から過去を振り返るという構図は、おもしろく没入できつつ深い思考を促してくれます。
物語は、歴史的な事実に基づいて進んでいく一方で、河童という存在を通して、人間の本質や生きることの意味を問いかけてきます。
歴史小説でありながら、哲学的な側面も持ち合わせている点が、この作品の大きな魅力なのだと思いました。