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『ラスト・ヴォイス 行動心理捜査官・楯岡絵麻』は、シリーズ最終巻にふさわしい集大成的な構成で、絵麻の心理捜査官としての天才的なスキルと、彼女自身の「声」が問われる物語です。
この巻では、絵麻が「見えない真実」を暴くために、3つの事件に挑んでいます。いずれも「声」や「語られない動機」が鍵となる心理戦で、シリーズの根幹である「行動から真実を読み解く」力が最大限に発揮されます。
絵麻が挑むのは、12人を殺害した元精神科医・楠木ゆりか。彼女は死刑囚として獄中にいながら、外部の実行犯を操って次々と事件を起こすという、まさに難敵です。しかも最初のターゲットは、絵麻の相棒・西野の婚約者!絵麻は同僚の筒井とともに、楠木の指示を受けた実行犯を追いますが、なかなか尻尾をつかめません。
絵麻は仲間を守るために、命を懸けて最後の敵に立ち向かいます。行動心理学のテクニックも健在ですが、それ以上に人間関係の深さや信頼の強さが描かれていて、シリーズの締めくくりにふさわしいドラマになっています。