ドラマ化及び映画化までされた人気の時代小説シリーズ「みをつくし料理帖」の第1巻が「八朔の雪」です。
主人公は大坂出身の料理人、澪。
色んな事情によって江戸に出てくることになった彼女が行き着いたのは、「つる家」というお店でした。
そこで、江戸と大坂の味の好みや水の違いに苦心しつつ、お客さんに喜ばれる料理を提供しながら目標のために頑張っていく物語です。
料理人の物語なので、1話ごとに澪が考案した様々な料理が登場します。
今作で出てくるのは「ぴりから鰹田麩」「ひんやり心太」「とろとろ茶碗蒸し」「ほっこり酒粕汁」の4品目。
名前を見るだけでもお腹が鳴りそうですが、それを食べる人たちの反応がまた美味しそうなのです。
食べる人のことを思って作られた優しい料理は、読者の心を温めてくれますよ。
巻末にはレシピが載っているので、料理好きの方は挑戦してみてくださいね。
さて、この物語は「料理が美味しそう」というだけではもちろん終わりません。
様々なトラブルに見舞われ、1巻にしてお店存続の危機まで…!?
降り注ぐ艱難辛苦に、時には涙を見せながらも、自分の目標や恋のために懸命に生き抜く澪の姿にはきっと感動するはずです。
時代小説を読み慣れていない方でも入っていきやすいと思うので、ぜひ一度手に取ってみてはいかがでしょうか。