三津田信三の連作ホラー短編集。
いずれも作者が体験した、もしくは友人知人から聞いた話という体裁をとって綴られており、虚虚実実錯綜する臨場感と酩酊感を潜ませている。
個人的には「ドールハウスの怪」が出色の怖さ。
奈良の小学校に転校してきた金貸しの息子が、蔵の二階でドールハウスを発見するが、中に配置された人形の家族構成は何故か彼の一家とそっくりで……
ドールハウス自体が発端となるのではなく、そのドールハウスで遊んだ行為がのちの元凶となって、怪異が現実を浸蝕し惨劇が連鎖していく入れ子構造がなんとも不気味でおそろしい。












