『絶叫系イヤミス』の売り文句に惹かれて読みました。
著者の他作品は未読です。
ミステリー?と思いながら読了。
『イヤ』要素は多少あるけれど尾を引かない程度で、考えれば考えるほど暗くなるような余韻はないです。
『絶叫系』というのも、絶叫……?と疑問符が浮かびます。
読了と同時にスンッ…と頭から抜けていく、のめり込めない感じでした。(単純に相性の問題だと思いますが)
とはいえマルキ・ド・サド著『美徳の不幸』のオマージュということなので、そちらを読んだ後に読めば、また違う感じ方をできるかも……という期待もあります。
ただ個人的には、登場人物が多い作品こそ、各人物の魅力をうまく表現して作中に引き込んでほしいのだけれど、いまいち魅力を感じられず。
背景や心中の描写はあるのに紙芝居的なペラペラさというか、奥行きのない印象を受ける人物が多かったです。
結果、元ネタとなったと思われる過去の事件のことを思い浮かべながら淡々と読み進め、読み終わりました。
難しい表現などはないから、ノンストップでさくさくと読み進めるにはイイかもしれません。
好きなフレーズ、詞的表現、比喩表現などを探してメモしながら読むには向きませんでした。


















