長編にふさわしい読みごたえのある作品でした。最初読みはじめた時は、こんな展開がある作品とは知らずに読んでいましたが、それに気がついた辺りからは一気に読めました。
昔を回想するようなシーンから始まるこの作品は、単なる少女の思い出の記録ではなく、 重大な事件を記す貴重な記録でした。
呪力という、不思議な力を持つ人々と彼らが住む集落。そこに起こった一つの事件は、先祖代々受け継がれてきた彼らが信じてきた歴史をくつがえす様なものでした。
このストーリーが怖いのは、決して架空の話ではなく私たちの未来を示しているかのような、あり得ない話ではないという事です。未来に起こりそうなストーリーかもしれないですね。、人間のエゴイズムが産む恐怖は、結局こうした形で自分たちに跳ね返ってくるかもしれないですね。そう考えるとゾッとします。
この世界の子どもたちは、村の外に出ることができず、外にはバカネズミのような怪物が存在する。学校から消えていく生徒たちがいる中、なんと呪力と呼ばれる力を手にすることができ、次の学校へと進むことができる。