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自らは記憶喪失人ながら、他人様の訳あり過去を消して再出発させる“生かし屋”兵藤が主人公という森村作品としては希少性の高い逸品。後期森村作品を代表する「棟居刑事」の名は冠しているが、彼は殆ど登場しない。それでも著者本来の推理性や緻密な構成力により読み応えのある本格推理サスペンスに仕上がっている。
訳ありの人間に、新たな人生を提供する「生かし屋」兵藤。東京へ逃げてきたエリとゆり二人の女性と出会い、彼女らを狙う連中を追ううちに、失っていた自身の記憶との奇妙な因縁に気づき始める。やがて失踪していたゆりの元婚約者が遺体で発見され、連鎖する事件の果てに辿り着いたのは、「生かし屋」組織の恐るべき実態だった。棟居刑事が現代の闇を暴く傑作サスペンス。
自らは記憶喪失人ながら、他人様の訳あり過去を消して再出発させる“生かし屋”兵藤が主人公という森村作品としては希少性の高い逸品。後期森村作品を代表する「棟居刑事」の名は冠しているが、彼は殆ど登場しない。それでも著者本来の推理性や緻密な構成力により読み応えのある本格推理サスペンスに仕上がっている。