大熊玄『善とは何か ― 西田幾多郎『善の研究』講義』は、西田幾多郎の思想を基礎から丁寧に解説し、「善」という概念の哲学的意味を分かりやすく講義形式で示した書籍。抽象的な倫理や主体論を具体例や日常的文脈に結びつけ、読者が自身の経験や思索と照らし合わせながら理解できる構成になっている。哲学初心者でも取り組みやすく、善や自己の在り方について深く考えるきっかけを与えてくれる一冊だった。
今なお高い人気をほこる『善の研究』。その中のまさに「善」について書かれた第三編を、講義形式でわかりやすく綴ります。なんとなく哲学に興味のある人から、前に『善の研究』を読もうとして挫折した人、自分の生き方を根本から考えたい人まで、哲学の予備知識なしで読み進められます!
私たちはどう生きるべきか。不安を抱えるこの時代の、考える礎に。
『善の研究』を読むということは、まさに日本語で「哲学する」ことが始まったプロセスを追体験できるという点で重要です。もし、あなたが、日本語で考え、話す人であれば、なおさら重要です。『善の研究』が世に出てからもう百年以上が経っていますが、それでも「哲学」への入門書として選ばれるのは、そんな理由があると思います。(「講義を始めるにあたって」より)
「繙く」とは、このことだ。「善」が見える、「西田」を感じる。
ーー 松岡正剛氏 推薦!
はじめに
講義を始めるにあたって
第一章 人間の行為を、心理学的に、意識現象(とくに意志)として考えてみる 〔行為 上〕
第二章 人間の行為(≒意志)は、科学的だけでなく、哲学的にも考えるべきだ 〔行為 下〕
第三章 意志の自由とは、選択できることではなく、自己の内から必然的に出てくること 〔意志の自由〕
第四章 実在は、理論的にだけでなく、価値的に考えてこそ、真に理解できる 〔価値的研究〕
第五章 直覚説 -「善は、そのまま明らかにパッとわかるものだ」? 〔倫理学の諸説 その一〕
第六章 権威説 -「善は、とにかくエライものに従っていることだ」? 〔倫理学の諸説 その二〕
第七章 合理説(主知説) -「善は、知的に理屈で判断できるものだ」? 〔倫理学の諸説 その三〕
第八章 快楽説(功利主義) -「善は、幸福度や快楽量で測れるものだ」? 〔倫理学の諸説 その四〕
第九章 活動説(主意説) -「善は、自己(意志)が現実化・完成することだ」! 〔善(活動説)〕
第十章 統一する力としての「人格」や「理想」という視点から、善を考える 〔人格的善〕
第十一章 善い行為は、いかなる動機でされるのか(その内的な仕組み) 〔善行為の動機(善の形式)〕
第十二章 善い行為で、いかなる結果を求めるのか(その具体的な中身) 〔善行為の目的(善の内容)〕
第十三章 どんな境遇や能力の人であっても、完全な善行はできる 〔完全なる善行〕
おわりに
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