ありがとう
0
母の介護のために仕事を辞め、東京から地元へと帰ってきた主人公・都。中卒の貫一との将来や、仕事のことで悩み、必死でもがきながら生きる姿が描かれています。
面白くて一気に読んでしまいました。
私自身、都に共感する部分が多かったです。わがままで自己中心的、欲しいものがあっても努力はせず、不遇な出来事は人のせいにしてしまう。きっと多くの人が、多かれ少なかれ同じような一面を持っているのではないでしょうか。
「何かに拘れば拘るほど、人は心が狭くなっていく。幸せに拘れば拘るほど、人は寛容さを失くしていく。」という言葉が心に刺さりました。主人公の心の動きを鋭くえぐり出すような描写に、終始引き込まれました。